セップ・クス
セップ・クスSepp KUSS
- チーム
- ユンボ・ヴィスマ
- 生年月日
- 1994年9月13日
- 身長/体重
- 180cm/61kg
- 国籍
- アメリカ
- Strava
- Sepp Kuss
- @seppkuss
- seppkuss
- 【Past results】
- ツール・ド・フランス:区間1勝
- ブエルタ・ア・エスパーニャ:2021年総合8位、区間1勝
- 2017年:ツアー・オブ・アルバータ総合2位、コロラド・クラシック総合6位
- 2018年:ツアー・オブ・ユタ総合優勝&山岳賞
- 2019年:ジャパンカップ5位
- 2020年:ツール・ド・ラ・プロヴァンス総合8位、クリテリウム・デュ・ドーフィネ総合10位
- 2022年:フォーン=アルデシュ・クラシック3位
- 2023年:UAEツアー総合5位
ブエルタを3連覇したログリッチの傍らにも、チーム悲願のツール総合優勝を達成したヴィンゲゴーの傍らにも、最も厳しい山岳で他のチームメートが姿を消したあと、牽引を、ペースメイクを続けるクスの姿があった。
プロトン最高レベルのクライミング能力に、総合エースとしてのステップアップも当然期待された。そのためには、いわゆる「バッドデー」をなくして安定した走りをすること。苦手意識のあるTTを改善すること……。
もともと、シーズン前半よりも後半の方が好調なスロースターターだが、2022年の春は調子の悪さにプレッシャーが重なりメンタル面でも苦しんだ。TT練習も逆効果で、意識すればするほどタイムが悪化。チームとの話し合いで、シンプルに山岳に集中する、という結論になった。グランツールエースたちの右腕として走ることには今でも大きな誇りとモチベーションを感じる。自分の成功はいつも自然な流れの先にあったから、気負わずに走っていれば総合を狙えるチャンスもそのうちやってくるはずだと思っている。
米国ナショナルスキーチームのコーチだった父の影響で、スキーをはじめとするさまざまな屋外スポーツに嗜んで育った。地元デュランゴのMTB育成チームに入ったのも、元々は冬のスキーシーズンまで体が鈍らないようにだったが、大学では自転車に集中し、ナショナルタイトルを獲得するなどまずMTBで名を挙げた。ロードレースでは、地元レースの山頂フィニッシュでの初勝利を見ていたコンチネンタルチームから声がかかり、北米や欧州のレースを走るように。欧州での成績に特に目を引くものはなかったが、カリフォルニア一周のマウンド・バルディで勝者から56秒差の10位、ユタ一周・アルバータ一周での山頂フィニッシュ2位がプロデビューの決め手となった。「数年だけの体験入学」のようなような気持ちがしばらく抜けなかったが、2018年ユタ一周で区間3勝、総合優勝でプロ選手としての自覚が変わった。
2022年ブエルタを第9ステージで棄権し、そのままオフに入ったため、シーズン入りは感覚を取り戻すのに少し時間がかかった。UAEツアーのあとはカタルーニャ一周、ロマンディ一周に出場し、そのあとはツールのマイヨ・ジョーヌ防衛、ブエルタのタイトル奪回、という大きな目標が待っている。
text:寺尾真紀 写真:© Bram Berkien