プリモシュ・ログリッチ

Jumbo-Visma

プリモシュ・ログリッチPrimož ROGLIČ

PROFILE

チーム: ユンボ・ヴィスマ
生年月日: 1989年10月29日
身長/体重: 177cm／65kg
国籍: スロベニア
Strava: Primoz Roglic
Twitter: @rogla
Instagram: primozroglic
Facebook: Primož Roglič

【Past results】
ジロ・デ・イタリア：2019年総合3位、区間通算3勝
ツール・ド・フランス：2018年総合4位、2020年総合2位、区間通算3勝
ブエルタ・ア・エスパーニャ：2019年総合優勝＆ポイント賞、2020年総合優勝＆ポイント賞、2021年総合優勝、区間通算10勝
2015年：ツアー・オブ・スロベニア総合優勝、ツール・ド・アゼルバイジャン総合優勝
2016年：国内選手権個人タイムトライアル優勝
2017年：ヴォルタ・アン・アルガルヴェ総合優勝、ツール・ド・ロマンディ総合3位、世界選手権個人タイムトライアル2位
2018年：イツリア・バスク・カントリー総合優勝＆ポイント賞、ツール・ド・ロマンディ総合優勝、ツアー・オブ・スロベニア総合優勝
2019年：UAEツアー総合優勝、ティレーノ〜アドリアティコ総合優勝、ツール・ド・ロマンディ総合優勝＆ポイント賞、ジロ・デッレミリア優勝、トレ・ヴァッリ・ヴァレジーネ優勝
2020年：国内選手権ロードレース優勝、ツール・ド・ラン総合優勝＆ポイント賞、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ優勝
2021年：パリ〜ニースポイント賞、イツリア・バスクカントリー総合優勝＆ポイント賞＆山岳賞、東京オリンピック個人タイムトライアル金メダル、ジロ・デッレミリア優勝、ミラノ〜トリノ優勝、ラ・フレーシュ・ワロンヌ2位、イル・ロンバルディア4位
2022年：パリ〜ニース総合優勝、クリテリウム・デュ・ドーフィネ総合優勝、イツリア・バスク・カントリー総合8位

パリ〜ニースとクリテリウム・デュ・ドーフィネで総合優勝、「失敗の」シーズンではない、と本人は言う。間違いなく不運なシーズンではあった。2つのグランツールを落車の影響で途中棄権した。ツール・ド・フランス第5ステージでの落車による肩脱臼（後に脊椎の骨折も発見）。ブエルタ・ア・エスパーニャ第16ステージ、フィニッシュ前スプリントの接触事故。特に肩は2021年パリ〜ニースと同じ箇所で、繰り返し脱臼する癖がついてしまった。脱臼のたびの痛みに耐えかね、長い休養が必要になることは納得の上で、肩甲骨の関節窩に、骨と腱を移植する手術を受けた。10月から8週間の安静、それから可動域を広げるリハビリ。12月初め、ようやく屋外でバイクに乗る許可が出たところだ。

順調にいけば、3月にレース復帰、2019年に総合3位に入賞しているジロ・デ・イタリアを走る予定だが、回復次第という部分は否めない。ヨナス・ヴィンゲゴーが「1」をつけ、チーム一丸となってタイトルを防衛するスペシャルなツールに自分もいたい、という願いも持っている。

ツールとジロの総合、世界選手権のロードとTT優勝。手に入れたい勝利はまだまだあり、そのための苦しさや努力を犠牲だとは感じていない。バイクに乗ったまま用を足すことも、レース序盤に逃げが先行することも知らなかったのに、なんの根拠もなく、自分はプロのサイクリスト、それも特別なサイクリストになれる、と信じたときと同じ火花が今も自分の中にある。

text：寺尾真紀　写真：© Bram Berkien