千賀滉大

2022年12月に5年総額7500万ドルで契約したメッツでは、ジャスティン・バーランダー、そしてマックス・シャーザーというMLB最高右腕の2人に次ぐ、先発ローテーション3番手という立ち位置でシーズン開幕を迎えた。

だが、チームが予想外の苦戦を強いられ、球団がバーランダーとシャーザーをシーズン途中で放出したことで、デビューイヤーは夏場からいきなりエースという立ち位置になった。

しかし、千賀はマックス100マイル（160.9キロ）越えのフォーシームと前述した『お化けフォーク』を武器に、1年目のMLBで堂々たるパフォーマンスを披露。MLB公式の新人王パワーランキングで、コンスタントに上位にランクインする。

最終的に29試合に先発し、166.1回を投げ、12勝7敗、防御率2.98、202奪三振（いずれもチームトップ）と圧巻の数字をマークし、シーズン終了後のナショナルリーグ新人王投票で、コービン・キャロルに次ぐ2位に入った。

メジャー2年目の2024年は、春先にMLB公式サイトのサイ・ヤング賞予想で4位に選出されるなど、大きな期待を背負ったが、受難のシーズンとなる。

スプリングトレーニング中に右肩を痛め、負傷者リスト入りして開幕を迎えると、その後も予想以上に回復が遅れ、6月26日のブレーブス戦でようやくメジャー復帰を果たす。

この試合では、強力打線を相手に6回途中2安打2失点、9奪三振1四球と好投するも、守備のプレーで足を痛めて負傷退場を余儀なくされる。その後、またも負傷者リスト入りし、レギュラーシーズンはそのまま終了となる。

同年はチームによるシーズン後半の快進撃により、自身初めてポストシーズン進出を果たすも、チャンピオンシップシリーズのドジャース戦の2試合に登板し（うち先発1試合）、計3回を投げて6失点と、ほろ苦い経験となった。2025年は完全復活が期待される。

※データは2025年3月1日時点
※1ドル＝150円で換算