橋本　達弥

はしもとたつや

紆余曲折を乗り越えた『ハマのタッちゃん』

最速152キロのストレートと落差の大きいフォークで打者をねじ伏せる右腕。ルーキーイヤーの昨季は一軍登板がなかったが、二軍で32試合に登板して4勝3敗、防御率3.00の成績を残した。

県内トップクラスの公立進学校出身、大学では国指定の難病克服と話題性も高い。兵庫県で1、2を争う進学校である長田高校では、3年夏のベスト8が最高成績。

進学を決めた慶應義塾大学入学直前に、国指定の難病である『IgA腎症』が発覚して野球を断念する可能性もあったが、リハビリを経て大学2年の春季リーグ戦で復帰。威力十分の速球とフォークを武器にクローザーを任され、チームが同校34年ぶりの優勝を果たした3年春の大学選手権では胴上げ投手となった。

4年時には侍ジャパン大学代表としてハーレムベースボールウィークに出場。8月に行われた野球伝来150年プロアマ記念試合では、大学・社会人選抜の一員としてU23 NPB選抜を無失点に抑えた。

ドラフト5位で入団したプロ1年目は球速不足を露呈したが、二軍では投球回数と同じ奪三振数で、対左打者の被打率.180と能力の片鱗は見せた。野球漫画「タッチ」の主人公にあやかり名付けられた右腕は、持ち前の「野球脳」の高さを発揮して今季こそ一軍デビューを果たしたい。

TEXT by 大久保泰伸
協力：ベースボール・タイムズ

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