ジャンプとは(ルール解説)

ジャンプ

ノルディックスキー競技のひとつ。ジャンプ台での助走・踏切を利用して飛び出し、飛行距離の長さと飛形・着地の美しさを競う。
スキージャンプ大会は個人戦と団体戦で行われる。FISワールドカップの男子スキージャンプ大会で使用されるジャンプ台は、ラージヒルとフライングヒルの2種類。

ルール

ジャンプ台の種類

ジャンプ台のサイズ(ヒルサイズ=HS)は、テイクオフの先端からL点(ランディングエリア限界点)までの測定距離で決定される。
またK点(建築基準点)は飛距離ポイントを計算する際の、基準点となる。

ラージヒル:L110m以上、K100m以上
フライング:L185m以上、K170m以上

ランディングエリア上でK点を示すのは赤い横ライン。HSを示すのは両端の赤い印。またK点からHSまでは両脇に赤ライン(赤バナー)が、K点からP点(ランディングエリア開始点)に向かっては両脇に青ライン、フォールライン(それ以降の転倒は減点対象にならない)からHSに向かっては両脇に緑ラインを入れることが推奨されている。
ワールドカップの場合は、グリーンレーザーライトで「トゥービートライン(首位に立つために飛ぶべき距離)」が示される。

ジャンプ台の種類 ジャンプ台の種類

スコア

1回のジャンプでそれぞれ飛距離点(K点=ラージヒル60ポイント/フライング120ポイント)と飛形点(最大60ポイント)とが算出され、両得点の総計で各ラウンド順位が決定する。 2ラウンドのトータルスコアで大会順位が決定する。
P点=ランディングエリア開始点 K点=建築基準点 L点=ランディングエリア限界点

<飛距離>
  • 基準点は、ラージヒルでK点着地=60ポイント、フライングヒルでK点着地=120ポイント。
  • K点より手前に着地した場合のポイントは基準点(60/120)以下となり、K点を超えた場合のポイントは基準点(60/120)以上となる。
  • 各ジャンプ台のK点距離にしたがって、メートル単位のポイントバリューが算出される。たとえばK点距離が100m以上の場合は、飛距離1mあたり1.8ポイント。K点距離が170m以上の場合、もしくはフライングヒルでは1.2ポイント。
  • 各選手の飛距離点は【基準点(60/120)+(K点からの距離×メートルバリュー)】で算出される。
  • 飛距離は、両スキーがランディングバーンに触れた地点で計測される。
  • 片足だけ異常に長く宙に浮いているなどの変則的な着地の場合は、最初の片足が完全に着地した地点で計測される。
  • 転倒の場合は、体の一部がランディングバーンに最初に触れた地点で計測する。
  • 飛距離は50センチ単位で計測される。
ターン
<飛形点>
  • 飛形点は最高60ポイント。
  • 5人の審判が各ジャンプ毎に得点をつけ、最高点と最低点をカットした3審判分の得点合計が採用される。 審判1人あたりの持ち点は20ポイントで、減点は0.5ポイント単位。
  • 減点材料となるのは飛行(テイクオフ含む)、着地、着地後の3点におけるミスや失態。減点箇所・理由は公表される。
  • 飛行に求められるもの:大胆で積極的なテイクオフ、素早く滑らかな適正飛行ポジションへの移行、的確なタイミングでの着地準備。空気圧の積極利用、ボディとスキーの調和、左右対称・完全伸脚であること。減点は最大5ポイント。
  • 着地に求められるもの:安定した飛行ポジションから着地ポジションへの移行(上半身を起こし、両腕を前/後に動かし、スキーを平行に)、着地直前の両脚前後開脚と両ひざ屈伸、着地時の筋力を使用した衝撃緩和、着地時のテレマークポジション(スキーは平行に、両脚は前後にずらし膝を曲げ、両腕を平行に開く)。減点は最大5ポイント。テレマークポジションが取れなかった場合は最低2ポイントの減点。
  • 着地後に求められるもの:適切なテレマークポジションの維持(10~15m)、パラレルorボーゲンでの安定かつリラックスしたポジションでにて減速区間退出。 減点は最大7ポイント。

スタートのルール

  • 選手がスタートする場所をスターティングゲートと呼ぶ。各選手はゲートに設置されたスターティングバーに腰掛け、そこから助走路(アプローチ)へと滑り出す。
  • スタート予定の選手に競技進行状況を知らせるための目印として、3つの信号(赤・黄・青)とデジタルタイム表示板が使用される。
  • 赤信号はスタート準備の状態。タイムは状況に応じた秒数からゼロまでカウントダウンされる。運営委員会の必要に応じてタイムを停止することが出来る。
  • 黄信号に変わると、タイムはカウントアップに変わる。スタート予定の選手は、スターティングバーでポジションを取ることが許される。通常、黄信号は10~45秒で青信号(スタート)に変わる。
  • 天候やアクシデントによっては、黄信号は再び赤信号に変わる。この場合は、選手はスターティングバーを離れなければならない。
  • 青信号に変わってから10秒以内に、選手はスタートを切らなくてはならない。
  • 1選手がスタート切った直後に、信号は赤信号に変わる。

競技説明

ワールドカップ開催時期

FISワールドカップスキー・男子ジャンプのシーズンは、全部で5つのピリオド(第3〜第7ピリオド)に分けられている。また夏季にはグランプリ大会(第1・第2ピリオド)が行われ、1年を通して全7ピリオドを戦う。ピリオド毎の成績は、各国参加枠などに影響する。
通常は11月中旬から冬のワールドカップが開幕し、第4ピリオドの年末年始には、ドイツとオーストリアで「ジャンプ週間」(4ヒルズトーナメント)と呼ばれる4連戦が行われる。
また第6ピリオドと第7ピリオドの間には、奇数年にはノルディック・スキー世界選手権が、偶数年にはフライング世界選手権が開催される。

ワールドカップ参加条件

各国スキー連盟が、出場枠に従って選手を派遣する。

<出場資格>
  • 年内に16歳の誕生日を迎える選手、もしくはそれ以前に生まれた選手(2021/22シーズンの場合は2006年生まれ以降)。
  • すでにグランプリポイント、もしくはワールドカップポイントを獲得したことのある選手。
  • 前シーズン、もしくは現行シーズンにコンチネンタルカップポイントを獲得した選手。
<国・連盟別の出場人数>
  • 1国あたりの基礎枠は1。最大枠は7。
  • ワールドランキングリストの上位50選手の国籍に基づいて各国に枠が配分される(1カ国最大6人)。
  • 当該ピリオドのコンチネンタルカップ上位3選手の国籍に基づいて各国に枠が配分される。
  • 上記方式では1枠の場合でも、前シーズン、もしくは現行シーズンに個人かチームのいずれかで最低1ポイントを獲得している国には、追加で2枠を与えられる。
※ワールドランキングリストとは
  • 夏季のグランプリピリオドを含む過去5ピリオドのワールドカップポイントの総計によるランキング。
  • 各ピリオド終了時に新たに計算し直される。

ワールドカップ大会方式

<個人戦>
  • 大会はオフィシャルトレーニング、予選(またはトライアルラウンド)、そして本戦2ラウンドで構成される。
  • すべての選手が予選に参加すること。本戦の第1ラウンドに出場できるのは50人(フライングは40人)。 最大飛行距離の95%以上の距離を飛ぶも転倒した選手は、規定人数枠の他に本戦進出を認められる。
  • 本戦の第2ラウンドに進出できるのは、第1ラウンドの上位30人のみ。30位の選手とタイ記録の選手、さらに最大飛行距離の95%以上の距離を飛ぶも転倒した選手は、規定人数枠の他に第2ラウンド進出を認められる。
  • 本戦第2ラウンドは、第1ラウンド最下位からスタートし、1位の選手が最後にジャンプする。
  • 2ラウンドの合計スコアで最終成績が決定する。
  • シーズン最終戦に限っては、ワールドカップスタンディング上位30人のみに出場権が与えられる。
<団体戦>
  • 各国代表チームは4選手で構成され、結果は4選手のスコア総計で競う。
  • 大会はトライアルラウンド、本戦2ラウンドで構成される。
  • 各チームの4選手は各自色違いのゼッケンを使用し、それぞれが1~4グループに所属する。ゼッケンの色はグループ1:赤、グループ2:緑、グループ3:黄、グループ4:青。
  • グループ1から競技を開始。グループ1に所属する選手が飛び終わった時点で、グループ2へと順番が移る(以下、グループ4まで同じ)。
  • 第1ラウンドの上位8カ国のみが第2ラウンドに進出できる。
  • 第1ラウンドにおけるグループ内のスタート順は、ワールドカップ国別ランキングの降順。男女混合の場合、各性別の国別ランキング合計の降順(合計の多い方から少ない方へ)。
  • 第2ラウンドにおけるグループ内のスタート順は、競技のその時点における最下位→首位の順で執り行われる。

ワールドカップ最終戦

  • ワールドカップスタンディングで総合30位以内の選手だけが出場できる。
  • 上記条件により開催国の出場選手が4選手に満たない場合、4選手まで参加させることができる。

ワールドカップ成績

<個人成績>
  • 上位30人にはワールドカップポイント100~1ptが与えられる。
  • ワールドカップスタンディング(個人ランキング)は、現行シーズンのワールドカップポイントの総計で決定される。
  • ワールドカップスタンディングで首位に立つ選手は、ワールドカップ・スキージャンプ・リーダービブを着用して試合に臨む。
  • シーズン最終戦終了時にワールドカップスタンディング(ノーマル、ラージ、フライング含む)で首位に立っていた選手が、ワールドカップ・スキージャンプのシーズン総合優勝に輝く。シーズン総合覇者には大きな優勝トロフィーが、上位3選手にはメダルが贈られる。
  • シーズン最終戦終了後にフライングイベントのみのワールドカップスタンディングで首位に立っていた選手には、小さな優勝トロフィーが、上位3選手にはメダルが贈られる。
<国別成績>
  • 団体戦の上位8チームにはワールドカップポイント400~50ptが与えられる。
  • 当該国籍を持つ選手の個人ワールドカップポイントの総計と、団体戦によるポイントの総計で、国別ランキングが決定される。
  • シーズンを最もポイントを最も多く獲得したチーム(国)には、チーム優勝トロフィーが贈られる。

冬季五輪と世界選手権

4年に1度開催される冬季五輪の他に、偶数年にはフライング世界選手権が、奇数年には世界選手権が行われる。
2022年2月には北京で冬季五輪が開催。2022年3月にはノルウェーでフライング世界選手権が、2023年3月にはスロベニアでノルディック世界選手権が予定されている。

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