HYUNDAI Shell Mobis WRT

韓国の自動車メーカー「ヒョンデ」は近年モータースポーツへの参戦に積極的な姿勢を見せている。WRCへの参戦はもちろん、WTCR（世界ツーリングカーカップ）やラリークロスなど市販車をベースにしたマシンでモータースポーツに参戦してきたが、今度はハイパフォーマンスブランドの「ジェネシス」でFIA WEC（世界耐久選手権）への参戦を表明。どんどんと活動の幅を広げている。

そんなヒョンデのモータースポーツ活動のルーツと言えるのがラリーへの参戦だ。2000年からWRCに本格参戦するが目立った成績が残せないまま撤退した。その後10年以上が経過していたが、ドイツにモータースポーツ専門の子会社を設立し、2014年にWRC復帰を果たす。ティエリー・ヌーベル、ダニエル・ソルドがラリー・ドイチェラントで1-2フィニッシュを達成すると、その後はヌーベルをエースとして活躍。2019年、20年はトヨタを破って2年連続のマニュファクチャラーズチャンピオンに輝いた。

トヨタが5年連続でドライバーズチャンピオンに輝いたのとは対照的に、ドライバーズチャンピオンの経験が無かったが、2014年の参戦開始から同社のマシンに乗るティエリー・ヌーベルがついに2024年に初のドライバーズチャンピオンを獲得。トヨタのホームであるラリージャパンで栄冠を勝ち取った。

昨年のラリージャパンではトヨタが1-2フィニッシュを飾り、マニュファクチャラーズタイトルは逃したものの、唯一トヨタに対抗できるメーカーとしてヒョンデの存在は重要。今季は昨年ラリージャパンで3位表彰台を若手のアドリアン・フルモーを獲得して体制強化と若返りを図っている。ただ、ラリー・エストニアで1-2フィニッシュが1回あったものの、この時はマニュファクチャラーズポイントがつかないオリバー・ソルベルグ（トヨタ）が優勝しており、現状はトヨタに大きく水を開けられている状況だ。

ヒョンデは先述の「ジェネシス」ブランドで2026年からFIA WECのハイパーカークラスに参戦する。WRCでの活動がどうなるか危惧されていたが、今夏に2026年の継続参戦を発表した。