ティエリー・ヌーベル

韓国自動車メーカー「ヒョンデ」のエースとも言うべきベルギー人ドライバー、ティエリー・ヌービルは2024年、自身初のワールドチャンピオンを獲得した。2016年から2019年の4年間、ランキング2位が４回と「無冠の帝王」だった彼は、2024年のラリージャパンにランキング首位で挑み、日曜日のオープニングステージでチームメイトのオイット・タナックがリタイアしたことにより、悲願のワールドチャンピオンになったのだ。

シトロエンの若手育成プログラムで見出されたヌービルは2012年にWRCに本格デビュー。2013年にはフォード（Mスポーツ）に移籍してランキング2位を獲得する。2014年にはヒョンデに移籍だ。以来10シーズン以上に渡ってヒョンデに在籍し、20勝以上をマーク。ターマックのラリーを得意としているドライバーであり、日本でWRCが再開となった2022年のラリージャパンでも見事優勝し、タナックと1-2フィニッシュを飾ったことも記憶に新しい。

2024年、ヌービルは開幕戦ラリー・モンテカルロで優勝。2勝を飾り、コンスタントにポイントを重ねていった。加えて、現役最強ドライバーのカッレ・ロバンペラがスポットエントリーだったこともチャンピオン獲得への後押しとなった。

しかしながら、王者として挑んだ2025年シーズンはここまで12戦を終えて未勝利。今季の最高位は３位が4回でランキングも５位と低迷している。今シーズンのヒョンデはトヨタに大きく差をつけられている状態だが、ラリージャパンでベテランらしい堅実な走りで今季ベストの成績を残せるか注目だ。