勝田貴元

日本代表としてWRCを戦う勝田貴元は親子３代に渡るラリードライバーという環境で育つ。しかし、モータースポーツに子供の頃から触れた彼が最初に目指したのはF1だった。レーシングカートで頭角を表すと18歳でフォーミュラチャレンジジャパン（FCJ）のチャンピオンを獲得。順調にレーシングドライバーとしての道を歩んでいたタイミングで、トヨタがWRCに復帰し、彼の人生が大きく変わった。

2015年に始まったトヨタの若手育成プログラムのオーディションに合格し、トヨタの支援を受けて海外のラリーに参戦を開始。いくら家族の仕事でラリーに触れる機会があったとはいえ、サーキット育ちの彼にとってラリーは全くの別世界。失敗を重ねながらラリーを学び、2019年のラリー・ドイチェラントにおいてWRカーでのWRC初参戦を果たす。

2021年はマニュファクチャラーズポイント対象外ながら初のフル参戦のシーズンとなり、サファリラリー・ケニアで初の2位表彰台を獲得。育成チームとしてマニュファクチャラーズにも参戦した2022年は安定した走りを披露し、ラリージャパンでも3位表彰台を獲得して日本のファンを沸かせた。

温和な語り口に明るいキャラクター、そして家族思いの勝田の姿はラリー初心者にも好印象を与え、ラリーの知名度アップにも大いに貢献している。2025年はラリー・スウェーデンとラリー・フィンランドで自己ベストの２位表彰台を獲得している。ラリージャパンで3年ぶりとなる表彰台を獲得できるか注目だ。