松本　憲

各国のワールドカップ出場選手の中で、「ビーチサッカーを始めたのが際立って遅い」選手であることは間違いないだろう。
小学1年で神奈川・横浜市の地元クラブでサッカーを始め、中学時代は横浜F・マリノスのジュニアユースに所属。高知・明徳義塾高に進み、卒業した2006年にオシム監督率いるJリーグのジェフユナイテッド市原・千葉に入団した。
2009年からシンガポール、タイでプレー。2011年に帰国してYS横浜とグルージャ盛岡でプレー。このYS横浜への加入が、今のビーチ日本代表選手・松本の礎となった。
2013年からミャンマーで7シーズン過ごし、短期契約でインドネシアでもプレーした。2019年限りで現役を引退。1年半後、YS横浜時代のチームメートでビーチ日本代表のFW松田康佑に誘われ、ビーチサッカーに初挑戦する。33歳だった。
田畑監督にサプライズ招集され、2024年11月にサウジアラビアで開催された国際大会に参加。37歳の初代表選手の誕生だ。
ちなみに――。日本代表のユニフォーム姿の画像が間に合わず、JFA公式サイトのサウジ遠征メンバーのページで一人だけ「顔写真なし」だった（現在もNO　PHOTO）。
試合の流れを読み取る力、敵・味方の立ち位置などから次の展開を予測する力、いち早くピンチを感じ取る危機察知能力……こういった部分を指揮官は高評価している。
「小さい頃から常に心の中にあった『日本代表でプレーすること』の責任感を持ち、自分自身の力を出し切ることを自覚しながら戦ってきます」