春のクラシックシーズンがピークを迎えようとしている。歴史的な激闘となったミラノ~サンレモを経て、流れは北のクラシックへ。パヴェ(石畳)での戦いを終えると、今度はベルギー・オランダの丘陵地帯を走るアルデンヌクラシック。そんな怒涛のレースカレンダーが組まれる4月。果たして“春の英雄”となるのは誰だろうか。世界を揺るがすであろう大きな、大きな1カ月。出場予定選手の顔触れを中心に見どころを押さえていこう。
■モニュメント全制覇へ残すはルーベのポガチャル 同一シーズン全制覇への期待も
まぎれもなく、3月のヒーローはタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG)だった。ストラーデ・ビアンケで約80kmの独走劇を演じると、ミラノ~サンレモではトーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム)とのマッチアップを制して悲願の初優勝。ロンド・ファン・フラーンデレン、リエージュ~バストーニュ~リエージュ、イル・ロンバルディアに続いて、4つ目のモニュメント制覇を果たした。
4月は過去にない壮大なチャレンジが控える。モニュメント全制覇の偉業へ、パリ~ルーベへと挑むことになる。リック・ファンローイ、エディ・メルクス、ロジェ・デフラーミンクの3人しか達成していない、サイクルロードレース界の高みへ。残すはルーベのタイトルを残すのみだ。
また、いささか気の早い話ではあるが、この1カ月で出走を予定するロンド、ルーベ、リエージュの3つを勝つとなれば、史上初となる同一シーズンモニュメント全制覇に王手をかけることになる。秋のイル・ロバンディアを残す形にはなるが、もしこの展開になれば、2026年のサイクルロードレースシーズンの楽しみが一層膨らむ。
イメージばかりが先行してしまうが、いま一度ポガチャルの出場予定のクラシックレースを整理すると、
4月5日 ロンド・ファン・フラーンデレン
4月12日 パリ~ルーベ
4月26日 リエージュ~バストーニュ~リエージュ
の3つ。いずれも250kmを超える長丁場の戦いだ。3月のイタリアで見せた集中力と勝負強さを再び発揮するか。なお、これらのレースを走り終えると、ツール・ド・フランスを見据えてステージレースへとシフトしていく見通しだ。
■マチューも大記録に挑む
勢いが増すばかりのポガチャルに待ったをかけるとするなら、やはりマチュー・ファンデルプール(アルペシン・プレミアテック)の名が一番に挙がる。
ミラノ~サンレモでの落車で負った左手の怪我が気がかりだが、3月中に2レースを走って状態確認をする心づもり。すでにトレーニングも進めており、当面の目標はロンドとルーベだ。
ロンドに関してはここ4年間、ポガチャルと優勝を2回ずつ分け合っている。今年勝つことができれば4度目の制覇となり、自身を含め7人が並んでいる最多優勝記録を更新することになる。
ルーベも同様に記録がかかっており、史上初となる4連覇に挑戦。4勝目となればデフラミンクやトム・ボーネンと並ぶことにもなり、その価値はより高いものとなる。
昨年はロンドでポガチャルに1分以上の差を付けられ敗れたが、1週間後のルーベでは逆に同等の差をつけて雪辱。北のクラシックでの“2強時代”の到来を観る者、そして彼らにとっても実感する機会になった。今年ももちろん、マチューとポガチャルが戦いの中心になるだろう。
文:福光 俊介






