コースの特徴
美しきナポリ近郊で、ゆっくりと静養したジロ一行に、これ以上のんびりしている時間などない。短いステージは、地形を目まぐるしく変化させ、道の終わりには今大会3回目の山頂フィニッシュが待ち構える。
ヴェスヴィオ火山の麓、紀元前に火砕流で地中に埋もれたポンペイ考古学公園からスタートすると、まずは平地をひたすら進む。かといって休息日の延長とは行くまい。乱れたリズムを大急ぎで調整しなければならないし、マリア・チクラミーノ候補たちが、52km地点の中間ポイント目掛けて爆走する可能性も大いにある。
続いて南アペニン山脈の厄介なアップダウンコースへ。2級山岳カンポザウロ(6.1km・7.8%・最大14%)は、ヘアピンカーブ満載の長いダウンヒルにも警戒が必要だ。その後またしても5%弱の無等級の上り(ただしインテルジロ用ポイントが仕掛けられている)やら、小さなアップダウンやらを忙しくこなす。
直近過去2回は独走逃げ切り勝利
最後は長い山道へ。フィニッシュ手前17.9km、クザーノ・ムトリの町から、いよいよ最終1級山岳ボッカ・デッラ・セルヴァへと挑みかかる。平均勾配はほんの5.6%に過ぎないが、途中に2度の短い下りを挟むため、序盤と終盤の実質的な勾配は7〜8%台が延々と続く。しかも山頂手前は樹木がほとんどなく、谷底から常に強い風が吹き上げているという。
2016年大会6日目と2021年大会8日目でも、ジロはボッカ・デッラ・セルヴァを通過しているが、この山のてっぺんでフィニッシュを争うのは大会史上初めて。しかも2021年は反対側からの登坂だった。ちなみに両ステージは、いずれも独走逃げ切り勝利で幕を閉じている。
text:宮本あさか
関連観光スポット
第10ステージのスタート地点である古代都市・ポンペイ。紀元79年にヴェスヴィオ火山の噴火により街全体が灰の下に埋まり、18世紀頃に発掘された。建物や日常生活で使われていた物などが掘り起こされ、古代ローマの市民の生活を紐解く重要な巨大遺跡だ。
ゼウス像のあるジュピター神殿や円形劇場、スタビアーネ浴場など、人々が集まっていた場所を見ることが出来る。さらに、古代の壺、キッチン、ベーカリーなど日常生活を感じられるものも残っている。





ポイント | 残り距離 | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
38 km/h | 36 km/h | 34 km/h | 38 km/h | 36 km/h | 34 km/h | ||
オフィシャル スタート |
142.0 km | 13:15 | 13:15 | 13:15 | 20:15 | 20:15 | 20:15 |
中間SP | 89.9 km | 14:24 | 14:27 | 14:31 | 21:24 | 21:27 | 21:31 |
2級山岳 | 59.5 km | 15:15 | 15:22 | 15:30 | 22:15 | 22:22 | 22:30 |
インテルジロ | 37.2 km | 15:49 | 15:58 | 16:08 | 22:49 | 22:58 | 23:08 |
中間SP | 20.6 km | 16:10 | 16:20 | 16:31 | 23:10 | 23:20 | 23:31 |
1級山岳 フィニッシュ |
0.0 km | 16:58 | 17:12 | 17:27 | 23:58 | 00:12 | 00:27 |