コースの特徴
2回目の休息日を終え、ローマ到着まで残すは6日間。2024年ジロのマリア・ローザ争いはクライマックスを迎え、2日連続の難関山頂フィニッシュで、山岳賞の青いジャージを巡る戦いもいよいよラストスパートに入る。
高地合宿のメッカ、リヴィンニョで静養したプロトンは、スタート直後にさらなる高地を目指す。まずは2日前に勝負を争った2つの峠を逆走し、標高2000mを2度越える。一旦そこから山を下りたら、改めて大きな上りへアタック。それこそパッソ・デッロ・ステルヴィオであり、19.6kmも上り続けた果てに今大会最高標高2758m地点、いわゆる「チーマ・コッピ」に到達する。
標高との戦いはステージ前半4分の1で終了し、続けて気が遠くなるほど長いダウンヒルとの戦いに切り替わる。25kmの急降下に、その先70kmも続く緩やかな下り基調。つまり全長202kmのコースの、約半分近くは下っていることになる。
伝統的な勝負地ドロミテ山塊
もちろん獲得標高4350mは伊達ではない。ラスト50kmで道は再び上りに転じる。ジロの伝統的な勝負地ドロミテ山塊に分け入り、ピュアクライマーたちが、まるで水を得た魚のように活気付く。
1級山岳パッソ・ディ・ピネイの山道は、今大会最長の23.3kmを誇る。平均勾配が4.7%と抑えめな訳は、中盤になだらかな道が続くから。序盤7.5kmと終盤6kmだけを見れば、平均勾配は7%を超える。そこからわずか5kmほどの短い下りを経て、最後は2級山岳サンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナへ。なんともドロミテらしい、尖った巨石をはるか山頂に掲げ持つ山は、上り距離こそ6.5kmを短く、平均勾配もやはり6.1%と平凡だが、終盤2km……つまりフィニッシュ手前2kmだけを見れば11.8%の壁なのだ!
text:宮本あさか
関連観光スポット
16日目のゴール地点となるサンタ・クリスティーナ・ヴァルガルデナは、東アルプス山脈の一部である『ドロミテ』に属する地域。『ドロミテ』は、その風光明媚な美しさと地質学的および地形学的重要性により、2009年にユネスコ自然遺産に登録された。
世界遺産に登録された9地域には、最高峰のマルモラーダ山をはじめ、3,000mを超える山が18峰ある。多くのハイキング、トレッキングコースが整備されているため、初心者でも気軽に壮大な景観を満喫できる。
ポイント | 残り距離 | 現地時間 | 日本時間 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
38 km/h | 36 km/h | 34 km/h | 38 km/h | 36 km/h | 34 km/h | ||
オフィシャル スタート |
202.0 km | 11:35 | 11:35 | 11:35 | 18:35 | 18:35 | 18:35 |
チーマ・コッピ | 148.6 km | 13:18 | 13:26 | 13:36 | 20:18 | 20:26 | 20:36 |
中間SP | 44.6 km | 15:27 | 15:41 | 15:57 | 22:27 | 22:41 | 22:57 |
インテルジロ | 28.3 km | 16:00 | 16:17 | 16:36 | 23:00 | 23:17 | 23:36 |
中間SP | 21.2 km | 16:10 | 16:27 | 16:47 | 23:10 | 23:27 | 23:47 |
1級山岳 | 12.0 km | 16:28 | 16:47 | 17:08 | 23:28 | 23:47 | 00:08 |
2級山岳 フィニッシュ |
0.0 km | 16:51 | 17:12 | 17:35 | 23:51 | 00:12 | 00:35 |