ツール・ド・フランス2020

STAGE 05

第5ステージ

ギャップ>プリヴァ

183Km
9月2日(水)午後8:55 - 深夜1:30
/J SPORTS 4J SPORTSオンデマンド
【現地実況・解説版】ステージ全編 午後7:55 ~ 深夜1:50/ J SPORTSオンデマンド限定
注意すべきは「ミストラル」
 

コースの特徴

第1ステージ

アルプスの中継地としておなじみのギャップから走り出し、東へとひたすら向かういわゆる「移動ステージ」。スプリンター向きと呼ばれてはいるけれど……この地方独特の強風+軽い上りフィニッシュが、展開をひっくり返してしまう可能性は大いにある。

前夜本格的に踏み込んだばかりのアルプスをあっさり抜け出して、プロトンは次なる山地=中央山塊へと急ぐ。スタート直後こそほんの少しの上り基調ながら、その後はほぼ下り気味。自ずとスピードは上がるはずだ。

注意すべきは「ミストラル」。なにしろステージ半ばまで、プロトンの進行方向手前左手には、延々とモン・ヴァントゥの禿げ上がった神々しい姿が拝める。つまり風が強い地方であるということ。果たして選手たちの背中を押す追い風か、それとも嫌な横風か。いずれにせよ40km地点、65km地点の軽いコース変更と……なにより80km地点と100km地点の「直角」カーブで、風向きは大きく変わる。もしも強風が吹き荒れていれば、いくつかのチームが必ずや分断を試みるはずだ。

後半に待ち構える2つの4級峠は、風さえ吹いていなければ、スプリンターたちにとって大した難関ではない。たとえ2つ目の山頂からフィニッシュまで、わずか16kmしか離れていないとしても。ただしラスト数キロは「フォー・プラ・モンタン」、日本語で言えば「平坦とは名ばかりの上り基調」。いずれにせよ強力な脚を持つスプリンターでなければ、史上2度目のプリヴァス区間を勝ち取ることなどできないのだ。

文:宮本あさか

【こぼれ話】強風警報

ティボー・ピノ

どんなに平坦な道でも、風向きひとつで、戦いは地獄に変わる。風を制した者が、自転車を制す。

自転車ロードレースの選手たちが、プロトンと呼ばれる大きな集団で走る理由とは、風による負担を最小限に抑えるためである。最前列で走る選手はもろに風を食らうけれど、おかげで後方の選手は、勝負の時まで体力をしっかり温存することができる。

しかも全ての選手が密着して走ることで、スリップストリームが発生する。気圧が下がり、前方へと引き寄せる空気の流れが生まれ、後方は余計な力を使わずとも前に進むこともできるのだ。なんとプロトン内にうっかり飛び込んでしまった虫が、時速40kmで走る選手たちと一緒に延々旅をすることさえあるという。

逃げ選手たちが先頭交代を重要視するのも、すべては風の影響を均等に振り分けるため。タイムトライアルスペシャリストたちは、最適なポジションを追い求め風洞の中を走る。また各マテリアルメーカーは、エアロダイナミクスの研究開発に余念がない。フレームやヘルメットはもちろん、近年はジャージ素材や個人タイムトライアル用ボトルさえも、風の抵抗を最小限に抑えるタイプの製品が生み出されている。

向かい風は辛いし、強い追い風はスピードが出すぎて危険な時もあるけれど、自転車にとって最も厄介なのはやはり横風だ。特に斜め前から強い風が吹いてきたら……もう大変!

突如として集団前方でスピードが上がり、一気にプロトンはずたずたに分解される。風向きに合わせた道幅いっぱいの斜め隊列が出来上がり、そこに入りこむ体力のない者たちは、道路の端で一列棒状になる。つまり数珠つなぎのように長く長く連なり、一瞬でも前との距離を開けてしまったが最後、あとはずるずると風の中をむなしく千切れていくだけ。これぞ自転車用語で言うところの「扇子を広げ、縁に追いやる」だ。

こんな作戦が得意なのは、ドゥクーニンク・クイックステップの横風職人たち。そもそも風の強い地域に差し掛かる日には、コースの進行方向と曲がり角、風向や風速の関係を踏まえて、監督が最適な加速ポイントを割り出すのだという。しかも2013年第13ステージは、なんと朝のスタート地でベルキン(現ユンボ)と密談し、同時に作戦を決行した。こちらはマーク・カヴェンディッシュ区間勝利を手に入れ、あちらはバウケ・モレマの総合順位を3位→2位に上げることに成功。まさにWin-Winだった。

昨大会では第10ステージで、またしてもドゥクーニンクは非情な横風作戦に踏み切った。前日まで総合3位と絶好調で走ってきたティボー・ピノが、罠にはまった。被害は甚大だった。最終35㎞で、なんと1分40秒ものタイムを失った。

文:宮本あさか

Difference in height
高低差図
第5ステージ
Time schedule
タイムスケジュール
距離 ポイント 現地時間 日本時間
42KM/H 44KM/H 46KM/H 42KM/H 44KM/H 46KM/H
0km地点 スタート地点 13:20 13:20 13:20 20:20 20:20 20:20
47.5km地点 中間スプリント 14:28 14:25 14:22 21:28 21:25 21:22
130km地点 4級山岳 16:25 16:17 16:09 23:25 23:17 23:09
167km地点 4級山岳 17:18 17:07 16:58 24:18 24:07 23:58
183km地点 ゴール地点 17:41 17:29 17:18 24:41 24:29 24:18

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