平成最後の「花園」は、大阪桐蔭の初優勝で幕を閉じた。神奈川県の桐蔭学園との決勝戦は、互いに持ち味を出し合って攻め合い、守り合った。26−24のスコアが示す通り、実力拮抗の好勝負。大阪桐蔭のディフェンスでの圧力が最後に勝利を呼び込んだ。桐蔭学園の最後の反撃の芽を摘んだCTB高本幹也のタックルは、攻撃の判断を司るプレーメーカーとしてアタック面で好プレーを連発していた高本の気迫があふれた。「タックルは苦手なほうです。肩を当てるのが得意ではないので」。そう話す高本がビッグヒットを決めたところにディフェンスの練習に多くの時間を割いてきたチームの成長が表れていた。

2年生の奥井章仁が言っていた。「今回の優勝は昨年の3年生がいたからこそ。今年の3年生にもお世話になった。感謝しかありません。ちひろ君(松山千大キャプテン)が、『しんどいときは俺の顔を見ろ。俺がしっかり前に出るから』と言ってくれました」。誠実に語るコメントにチームの絆が垣間見えた。

第98回全国高等学校ラグビーフットボール大会は、ラグビーワールドカップ2019のために改修された東大阪市花園ラグビー場にて、2018年12月27日に開幕。47都道府県から集った51校が2019年1月7日の決勝戦まで熱戦を繰り広げた。1回戦で注目されたのは、79大会ぶりの出場となった早稲田実業と、日本代表、パナソニック ワイルドナイツで活躍した霜村誠一監督率いる桐生第一だった。J SPORTSのプロデューサーでもある大谷寛監督に率いられた早実は、名護を55−3で破り、桐生第一は米子工業から110得点。初出場チームの三桁得点は初という記録を残した。しかし、シード校の壁は厚く、ともに2回戦で姿を消した。

2回戦から登場したAシード3校(桐蔭学園、大阪桐蔭、東福岡)、Bシード10校(日本航空石川、報徳学園、常翔学園、黒沢尻工、佐賀工、流通経済大柏、茗溪学園、長崎北陽台、天理、中部大春日丘)は、多くが順当に勝ち進んだが、佐賀工業は京都成章に、日本航空石川は國學院栃木に敗れた。もともとシード校並みの実力があると評判だった京都成章が、どこまで勝ち進むか注目されたが、3回戦で流経大柏が立ちはだかった。試合巧者の京都成章を、45−14で破った戦いぶりは力強く、準々決勝では大阪の常翔学園を破り、26回目の花園出場で初のベスト4進出を成し遂げた。

就任4年目の相亮太監督は、リコーブラックラムズでプロ選手としてプレーした経歴がある。このほか、長崎北陽台の品川英貴監督(東芝ブレイブルーパス)、岡谷工業の勝野大監督(トヨタ自動車ヴェルブリッツ、神戸製鋼コベルコスティーラーズなど)、霜村誠一監督ら、元日本代表、トップリーガーなどが教員免許を取得して指導するチームが増えてきた。高校ラグビーの新しい風である。

手に汗握る激闘も多かった。3回戦の長崎北陽台対茗溪学園は、互いにリアクションが速く、目まぐるしく攻守が入れ替わった。15−14と茗溪学園リードで迎えた後半23分、長崎北陽台はラインアウトからモールを組み、最後はFL山内裕斗がトライして勝負を決めた。

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