「誰がゴリラやねん!」

チームメイトから「ゴリラ」といじられた時、内田靖人が返すお決まりのフレーズだ。仲間うちで浸透しているこの“ネタ”を振られると、うれし恥ずかしの表情でツッコミ返す。そんなところに、とても彼らしさを感じる。

不器用さと優しさ。それでいて、「チーム一番の打力」と期待される“大砲”だ。昨季は、自己最多となる58試合に出場し、12本塁打をマーク。

チーム生え抜きで高卒の右打者として、球団史上初となる2桁本塁打というマイルストーンを達成した。

「2桁本塁打」という響きを、待ちわびたファンも多いだろう。内田は、2013年にドラフト2位指名を受け、常総学院高校を卒業して、楽天イーグルスに入団。

故・星野仙一氏が監督時代、日本ハムの中田翔の例に倣うように「我慢するつもりで、育てていく」と目をかけた逸材だ。

そうした周りの期待を背負いながら、内田は着実にホーランバッターとして成長してきた。16年のプロ3年目は、イースタン・リーグで13本塁打をマーク。

翌年は18本塁打と66打点で、同リーグの二冠王となった。そうして昨季はついにプロ初の開幕一軍入り。

前半は不振で一軍と二軍を行き来するも、8月28日以降は30試合で8本塁打と一軍でアーチを量産。一気にシーズン2桁本塁打を決めてみせたのだ。

◆浅村が「山川と同じくらい」。キャンプでパワフル打撃を披露

この時、ようやく目覚めたとも思えるパワフルな勢いをみせようとも、内田は変わらなかった。相変わらず、控えめで生真面目すぎるほど。少しは自信になったのではないか、そろそろブレイクと見ていいのではないのか。

昨季の終わりにもいろいろと質問ぶつけたが、「まだまだ全然です。技術が足りません」の一点張り。あくまで「少しは成長したところはあります」と留めるだけ。

その理由をこう続けた。「2017年シーズンは、真っ直ぐを待つばかりだったけれど、18年シーズンは変化球も狙うことができるようになった。少しずつだけれども、狙い球や“腹のくくり方”はできるようになっているとは思います」。

どこまでも地に足をつけ、堅実に一歩ずつステップを踏みしめながら、成長を確認しているようだった。

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