ドラフト1位、鈴木博志のルーキーイヤーが終わった。53試合に登板、防御率4.41。シーズン前半に見せた、150キロを超える豪速球、打者をなぎ倒す姿はルーキー離れし、圧巻だった。

しかし、鈴木博志は後半苦しんだ。もちろん疲れもある。半年に及ぶ野球漬けの日々は容赦なくルーキーの体力を奪っていった。そして夏の2軍降格。その後、1軍に戻るも、シーズン前半に見せた姿は戻っていなかった。

「交流戦が終わったくらいですかね。もう信じられないくらい疲れていました。自分の身体じゃないみたいでした。頭で身体をこう動かしたいと思っても、全然動いてくれない。できるだけ早く寝て回復に努めたんですが、うまくいきませんでしたね」と振り返る。

疲労は身体だけではない。プロ1年目、毎日野球の事を考え、コーチや先輩から色んな指導を受ける。そして打たれればルーキーとは言え、容赦ないバッシングが飛ぶ。鈴木博志の頭や精神はパンク寸前に追い込まれた。

気づけば、鈴木博志の持ち味は消えていた。150キロを超えるストレートは影を潜め、空振りやファウルが極端に減っていた。投じる直球は面白いように打者に弾かれヒットゾーンに運ばれた。

「シーズン後半は、ここに投げないといけない。リード通りに投げないから打たれる。もっとコントロールをよくしないと。打たれれば打たれるほど、その考えが強くなっていた」と明かした。

2軍降格後、悶々とした日々を過ごしたという。そんな鈴木博志の姿を2軍で見ていた大野雄大は、たまらず声をかけた。

「博志、今年は打たれてもいいから自分の思うように投げてみろ。打たれるも抑えるもすべてが経験、お前にとってはそんな1年だろ」。その言葉の真意を大野は説明してくれた。

「博志の持ち味が完全に消えていたと思うんです。誰にも真似できないストレートを持っているのに、それに自分で蓋をしているというか、自分の良さを自分で消しているように見えたんです」。

チームの先輩として、大野は鈴木博志に、己の武器をもう一度思い出せと伝えようとした。

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