ダイヤモンドバックスの救援投手陣は、ナイトゲームの開始の約4時間前には練習を始める。

九月下旬も同じだった。まだ誰もいない本拠地チェイス・フィールド。開閉式ドームの屋根は天然芝の養生のために開けられ、強い日差しが差し込んでいる。全体練習とは違うのでユニフォームを着る必要はない。平野佳寿も、Tシャツに半パン姿というとてもカジュアルな姿で体を動かし始める。

軽めのキャッチボール、平地での投球練習、ダッシュをしたり、小刻みなステップを切ってコンディションを整えたり。平野を取材したのは約五カ月ぶりだったが、最後に取材した開幕直後と何も変わらない姿だった。

「毎日、同じことをやるのも大事なんですけど、それプラス、(自分の体調に)合わすのが大事」

と平野は言った。無精ひげが逞しい。

「連投していたらやらなくていい動きが出てくるだろうし、(登板間隔が空けば)これはちょっとやっといた方がいいなという動きも出てくる」

何でもかんでも「サムライ」と表現する昨今で「陳腐」と批判されそうだが、実際、そんな感じの人である。時には冗談も言うし、柔和な表情を見せるのだが、基本的には自分の仕事に没頭し、余計なことを言わないのが「武士」っぽい。そんな武骨な人が、淡々とした日常を繰り返してきたことが、9月24日のドジャース戦で達成した日本人投手の歴代最多となる74試合登板に繋がったのだと思う。

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