現役を退いているイチローのホームラン競争出場が話題になった。

出場を打診されても辞退する選手が多いからだという。

辞退する選手は責められない。ホームラン競争は勝っても負けてもあまり意味のない「余興」である。「メインイベント」のオールスターゲームを盛り上げるためのプロモーションであり、開催地で行われるパレードと同じファン・サービスのひとつである。ホームラン競争に勝ったところで「彼こそは真のホームラン打者だ」と評価されるわけではないし、負けたとしても「なんだ、大したことないじゃないか」と言われるわけでもない。出場することに「価値がない」と選手たちが思ったところで、何の不思議もない。

ホームラン競争への出場を辞退するのは、WBC出場を辞退することと少し似ている。なぜなら、それはメジャーリーガーにとって「選手としてもっとも優先すべきことではない」からだ。WBCに比べれば怪我するリスクは低いだろうけど、出場することで家族との時間や休養する時間は確実に減る。ただでさえ、「産休」そのほかの理由で公式戦を休む選手が普通にいるようなメジャーリーグだ。「仕事よりも大事なものはある」と明確に打ち出している文化の中では、「余興」が優先事項になることは今後もないだろう。

だから、「だったらイチローを出場させればいいじゃないか」という提案は面白い。それが原稿になった時、現地で取材した米国人記者とイチローが気の利いたやり取りをしているのが伝わってきた。通訳を介してイチローはこう言ったそうだ。

“Right now I'm eating two hamburgers at lunch, and now that this Home Run Derby thing came up I'll have to up it to three cheeseburgers for lunch, get some more power"

「今は昼食にハンバーガーを2個食べてるけど、ホームラン競争のことが出てきたので、力を付けるためにチーズバーガーを3個食べなきゃね」

面白かったのは記者が最後に尋ねた「誰を投手にしたい?」という質問に対する答えだ。

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