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J SPORTS J.LEAGUE

東京都クラブユースU-17サッカー選手権大会3位決定戦 東京Vユース×FCトリプレッタユース@西が丘

February 11, 2016 10:10 PM

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0210nishigaoka.jpgリーグ2位通過の両者が3位の座を懸けて対峙する一戦。東京ヴェルディユースとFCトリプレッタユースの激突は、東京サッカーの聖地・味の素フィールド西が丘です。
藤吉信次監督体制もいよいよ2シーズン目。「大会を優勝しても結果は日本一だけど周りが認める日本一ということではないと思うので、『何でも良いから日本一を目指そう』と。片付け日本一でも良いし、挨拶日本一でも良いから、それを打ち立ててやっている」と指揮官も話した通り、明確に"日本一"を掲げて臨んだシーズン最初の公式戦は、FC町田ゼルビアユースと引き分けた初戦を経て、杉並FCには5-1で快勝を収めたものの、リーグ最終戦の三菱養和SCユース戦は追い付かれてのドローに終わり、首位通過には一歩届かず。それでもここまで無敗ということもあって、「今日も負けなしで行かなくてはいけないという話をして」(藤吉監督)聖地で迎える3位決定戦に向かいます。
昨シーズン途中から指揮官に就任した大貫雅之監督を頂き、例年以上に期待感を持った新チームという印象もあるFCトリプレッタユース。「レギュラーが去年の半分ぐらいは残っているので個人的に期待はしていますけど、抜いちゃう所があるのでそういう所が良くなっていけば」と指揮官は笑いましたが、1次予選から勝ち上がって決勝リーグを迎えたこの大会は、横河武蔵野FCユースに後半終了間際で追い付いて劇的に勝ち点1を獲得すると、FC東京U-18には0-4と力負けしましたが、最終戦は8-0というスコアでC.A.SeisRayos Tokyoを打ち倒し、得失点差でこの聖地まで。さらなる躍進を遂げるための舞台は整っています。選手入場時にはトリプレッタの応援席から「♪ トリプの服着て~ 戦うオレたち~ トリプの心は~ 誰にも負けないぜ~」という何とも彼ららしいチャントが。西が丘での90分間は11時ジャストにキックオフを迎えました。


いきなり先制のチャンスを掴んだのはトリプレッタ。3分に高野路万(2年・FCトリプレッタJY)の仕掛けで獲得した右CKを、キャプテンマークを巻いた宮澤亮太朗(2年・FCトリプレッタJY)が蹴り込むと、中央の混戦で高野ツンデローレンス(2年・ヴェルディSS AJUNT)が倒されたというジャッジを増山舜主審は下し、トリプレッタにPKが与えられます。重圧の掛かるキッカーは宮澤。左スミを狙ったキックは、GKの逆を突いて見事に成功。「チームの中心としてもっと責任を持ってプレーしたいと思います」とキャプテンで10番という重責を背負う覚悟を決めた宮澤の先制弾で、早くもトリプレッタが1点のリードを手にしました。
さて、「思いがけない失点」(藤吉監督)を喫したことで追い掛ける展開となった東京V。6分には左から大森渚生(1年・東京ヴェルディJY)が蹴ったFKに、飛び込んだ谷口栄斗(1年・東京ヴェルディJY)のヘディングが枠の右へ外れるシーンを創りましたが、ややラフなロングボールが多いアタックの中でチャンスは生み出し切れず。14分には中根玄暉(2年・東京ヴェルディJY)が左へ振り分け、上がってきたSBの松本幹太(2年・東京ヴェルディJY)がクロスを上げるも、走り込んだ橋本新生紀(1年・東京ヴェルディJY)は合わせ切れず。18分にも松本、杉澤亮悟(1年・東京ヴェルディJY)と繋ぎ、橋本が狙ったミドルはDFがブロック。「動かす所まではできているんだけど、その差し込む所のタイミングとか動き出しのタイミングがまだまだ良くなかった」と藤吉監督。攻勢もフィニッシュはなかなか遠く。
一方、「逆に点が取れた分だけ、1回歯車が噛み合わなくなった」と大貫監督が振り返ったトリプレッタは、長いボールと左右の揺さぶりを交えた相手のアタックにも、ディサロ峻ヴァレンティノ(2年・FCトリプレッタJY)と船越和樹(2年・蒲田高)のCBを中心に高い集中力で凌いでいくと、20分過ぎからは徐々に攻撃にもテンポが。23分には高い位置でボールを奪った石川吉輝(2年・VIVAIO船橋)がそのまま枠を越えるミドルまで。25分にもSBの関彪雅(2年・ジェファFC)を起点にして、右サイドで高野が寄せた2枚の門をスルーパスで破り、強引に放った山口のシュートはDFのクリアに遭いましたが、引き寄せつつあるゲームリズム。
26分には東京Vも相手のバックパスをかっさらった杉澤が単独で抜け出しましたが、懸命に戻ったディサロの寄せにシュートは弱くなってトリプレッタのGK片岡竜雅(2年・調布FC)がキャッチ。逆に31分はトリプレッタに決定機。山口、田村和己(2年・FC.GONA)とボールを回し、宮澤は左へスルーパス。駆け上がったSBの内山健(2年・ジェファFC)が打ち切ったシュートはGKを破るも、良く戻った谷口がスーパークリアを見せ、こぼれに詰めた内山の2本目も谷口が何とか体に当てて左ポスト直撃。そのCKを宮澤が蹴り込むと、ファーで拾った山口は2人の間をぶち抜いてクロス。ニアで合わせた石川のヘディングはゴール右へ逸れたものの、「後ろで繋がるようになってきてから、落ち着いてスペースが使えるようになった」と大貫監督も認めたように、この時間帯はボールキープも手数もトリプレッタ優勢に。
35分もトリプレッタ。左サイドで谷本竜一(1年・FC.GIUSTI世田谷)がルーレットも披露しながら粘って獲得したFKを宮澤が蹴り入れると、ディサロのヘディングはわずかに当て切れず。38分は再びトリプレッタの決定機。巧みにボールを引き出した宮澤が、ワンテンポ溜めて右へ最高のスルーパスを通し、走った高野はGKとの1対1を迎えるも、シュートはわずかに枠の左へ。「アレを決めてくれればね。アイツはいつもあのコースに外すんですよ」と苦笑したのは大貫監督ですが、ここまでも相手を苦しめていた宮澤のパスセンスと高野の突破力が決定的なシーンを創り出します。
39分の決断は藤吉監督の2枚替え。「替えた2人が悪かった訳じゃないんですけど、あの時間帯でもっと早くリズムを変えたかった」という指揮官は、大森と橋本に替えて大久保智明(2年・東京ヴェルディJY)と平田竜士(2年・東京ヴェルディJY)を投入。平田を最前線に、レフティの大久保を右SHへ配し、「ハーフタイムに入ったら相手ももう1回エンジンを変えてくるだろうから、その前に畳み掛けられたら良いかなと」いうメッセージをピッチヘ落とし込みます。
それでも40分はトリプレッタ。高野が左へ展開したボールを内山がグラウンダーで折り返すと、走り込んだ宮澤は左足を振るも打ち切れず。42分もトリプレッタ。宮澤の右FKを山口がヘディングで枠へ収めるも、ここは東京VのGK村田怜穏(2年・東京ヴェルディJY)がキャッチ。45+1分もトリプレッタ。中盤でボールを回収した谷本がそのまま叩いたミドルは、強烈な弾道も村田ががっちりキャッチ。「ワンタッチツータッチで2本3本というベースの部分が完成されれば、必ず良い形になるというのはいつも言っていること」と指揮官も話した部分も随所に見られ、20分以降はゲームを支配したトリプレッタが1点のアドバンテージを保って、最初の45分間は終了しました。


後半のファーストシュートもトリプレッタ。47分にバイタルで浮き球に反応した宮澤はそのままボレーミドル。村田も的確なキャッチングで応酬しましたが、まずはキャプテンが追加点への意欲を示して見せると、49分には東京Vにも好機到来。相手のミスを見逃さなかった平田は、ボールを収めるとすかさずミドルレンジから右足一閃。軌道はわずかにクロスバーの上へ外れたものの、お互いにミドルを繰り出し合って後半が立ち上がります。
すると、緑の歓喜を呼び込んだのは「選手間でも頼りになる選手という風になっていますし、クレバーなのでアイツは頼りになりますね」と指揮官も信頼を寄せるキャプテン。52分に大久保が右から蹴り込んだCKを、ファーで合わせた深澤のヘディングはフワリとした軌道でクロスバーを叩き、詰めた谷口のヘディングも再びクロスバーに跳ね返ると、ここに突っ込んだのは深澤。右足で押し込んだボールはゴールネットを揺らします。昨年も副キャプテンを経験し、既に風格すら漂う深澤の貴重な同点弾。東京Vがスコアを振り出しに引き戻しました。
リズム反転。56分は東京V。中根を起点に杉澤が右へパスを通すと、縦に仕掛けた大久保は右足でシュートを打ち切り、ここは片岡がファインセーブで凌いだものの、後半は立ち上がりから大きな存在感を放っていた14番が惜しいシーンを。57分も東京V。右から大久保が蹴ったCKを深澤はヘディングで枠内へ。片岡がパンチングで弾き出したボールを、平田が頭で狙ったシュートは枠の上へ外れたものの、西が丘のピッチに弾ける緑の圧力。
ただ、今のトリプレッタには強靭な反発力も。58分の左CKを宮澤が蹴り込み、山口のヘディングが右へ流れると、高野のシュートは抜群の飛び出しを見せた村田がファインセーブで回避しましたが、62分にも高野のドリブルでFKを獲得すると、横河武蔵野FCユース戦でもFKを叩き込んでいる船越和樹がゴールまで約25mの位置から直接狙い、東京Vが築いたカベのブロックに阻まれるも好トライ。66分にも宮澤の左CKが中央にこぼれ、左足で叩いたディサロのボレーはわずかに枠の上へ。直後にも宮澤、山口とボールを回し、石川が打ったシュートはDFに当たって右へ流れ、詰めた高野のシュートは村田がここも飛び出し、ルーズボールをDFが何とかクリア。一旦は沈み掛けながらも再度浮かび上がった大貫丸。
67分は東京V。右から大久保が入れたCKはニアで石川がクリア。68分も東京V。またも大久保の右CKから、ファーで仕掛けた小幡祐稀(2年・東京ヴェルディJY)のドリブルはディサロがきっちりカバーしてゴールキックに。69分も東京V。「ボールを持ったら取られないので、そういう信頼感や安心感はあります」と藤吉監督も評価する大久保のスルーパスから、平田が強引に打ったシュートはDFに跳ね返り、大久保が狙ったループは枠の左へ。73分に1人目の交替として谷本と高橋翔太郎(2年・FCトリプレッタJY)をスイッチしたトリプレッタも、2分後に流れの中からチャンス創出。内山のパスを受けた宮澤は左へはたき、タイミングをずらした石川のクロスは高野へわずかに届かなかったものの、面白いチャレンジを。スコアは変わらず1-1のままで、いよいよゲームは最後の10分間とアディショナルタイムへ。
82分は東京V。大久保が裏へシンプルに送り、走った中根のシュートは片岡が丁寧にキャッチ。83分はトリプレッタ。山口が果敢なプレスからタックルでボールを奪い切り、石川のパスを受けた宮澤のシュートは、東京Vのボランチを務める河田稜太(1年・東京ヴェルディJY)が懸命に戻って体でブロック。83分は双方に交替が。東京Vは杉澤と信太玲哉(2年・東京ヴェルディJY)を、トリプレッタは高野と船越毅郎(1年・FCトリプレッタJY)をそれぞれ入れ替え、お互い最後の勝負へ打って出ます。
緑の友を救ったのは右サイドバックの13番。86分に大久保の左FKがこぼれると、トリプレッタがカウンターを仕掛け、その勢いを逆に中盤でせき止めた東京Vのカウンター返しは、平田が右へ通したスルーパスで決定的なチャンスに。ここへ全力で上がってきた小幡のシュートは、右スミギリギリのゴールネットへ鮮やかに到達します。PK献上のファウルを取られ、ややそこまでもミスの目立った小幡が名誉挽回の大きな逆転弾。この最終盤で東京Vがとうとうスコアを引っ繰り返しました。
続く小幡劇場。89分も東京Vのスムーズなアタック。ボランチで良くボールを触っていた東山直樹(1年・東京ヴェルディJY)が右へ振り分け、信太が溜めて溜めて縦パスを流すと、外を回った小幡は中央に走り込む味方に目線を送りながら、中へ意識の行ったGKの裏をかく格好で、そのままニアサイドへシュート。ポスト内側の短い隙間をすり抜けたボールは、ゴールネットへ吸い込まれます。3分間で右サイドバックが圧巻のドッピエッタ。東京Vのリードは2点に広がりました。
互角に渡り合いながら、終盤で連続失点を許したトリプレッタも90分に安達健生(2年・FCトッカーノ)と宇田川尚輝(1年・多摩大目黒高)を同時投入しましたが、アディショナルタイムの3分間でもチャンスは創り切れず。最後は羽生識(1年・東京ヴェルディJY)を送り込んでゲームクローズに取り掛かった東京Vは、90+3分にも村田の素晴らしいキックから、抜け出した平田のフィニッシュは片岡のファインセーブに阻まれたものの、4点目への意欲を披露しながら聞いたタイムアップのホイッスル。「逆転できたのも良かったと思うんですけど、内容的には物足りないと思いますし、まだまだやらなきゃいけないなとは凄く思いました」とやや藤吉監督は渋い表情を浮かべましたが、東京Vが逆転で西が丘での3位を勝ち獲る結果となりました。


先制を許す難しい展開を強いられながら、最後は逆転勝利でこの大会を締め括った東京V。世代別の代表候補にも選出されている渡辺皓太(2年・東京ヴェルディJY)と藤本寛也(1年・東京ヴェルディJY)を欠く中でも、「今はケガがあったりインフルエンザがあったりでメンバーが入れ替わっているんですけど、逆に僕はこれがチャンスだと思っていて、やっぱり競争させて調子の良いヤツを、本当に能力があって意欲があってコンディションが良いヤツが出るべきだと思うので、そういう意味ではまだ試合に出られなかったかもしれない選手たちにもここでチャンスが与えられたのというのは良いことですし、その時にみんな良い仕事をしている」と話した藤吉監督は「今日も大久保や平田をベンチスタートで行ったのも、その前の試合の前半が特に良かったからで、そのメンバーで良い試合をしたらその分チャンスをもらえるというのはこれからもやっていきたいと思うし、そういう意味では底上げになるので、全然物足りなさはなくて良い方向に行っていると思います」と確かな手応えを口に。「今年のメンバーはどっちかと言ったら総合力で行けるというか、チームとしても凄く機能しやすいチームなので、そこをちゃんとチームとしてどういう風にするというのをきっちりやれば良い結果は出ると思う」と話す熱血指揮官に率いられた東京Vユースの今シーズンは、チームとしての成熟度がカギを握ってきそうです。
前半は強豪の東京Vを押し込む時間も長く、「個人の能力が高い選手もいるし、凄く良いチームだと思いますね」と藤吉監督も認めたように、西が丘の舞台でその実力を存分に発揮したトリプレッタ。ただ、後半に関して「ディフェンシブに凌いで1点を守ることもできたかもしれないですけど」と前置きした大貫監督は、「前半の展開としてやっぱりやれていた分、僕自身は『点を取ろう』というか、『点を取れる』という方が強かったから、ハーフタイムにネガティヴな戦略は立てなかったんですよね」とのこと。そこには「全国に繋がる試合とかだったらまた違うと思いますけど、今回は結果よりトリプレッタのサッカーを"魅せる"方が優先だと思った」という、何ともトリプレッタらしい指揮官の想いがありました。もちろん負けるよりは勝つ方が良いということは百も承知という大前提の中で、「攻撃して良かったと思ってます。1-0の勝利より価値のある1-3の敗戦です」と言い切る大貫監督の考え方こそが、このクラブの根底に流れ続けるマインド。金星は取り逃がしたものの、トリプレッタの今シーズンにも大いに期待したくなる90分間であったことは間違いありません。       土屋


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