湯浅直樹

トリノ五輪のスラロームで7位入賞し、世界への階段を登り始める。ワールドカップ最高位は3位。これを含め、トップ10内の入賞は11回を数える。2013／14、2016／17シーズンにはともに短期間ながら第1シードにもランクされた。最大の武器は徹底して攻撃的なスラローム。それがはまったときの滑りは圧倒的に速く、2012／13シーズンのマドンナ・ディ・カンピリオではマルセル・ヒルシャー（オーストリア）、フェリックス・ノイロイター（ドイツ）に次ぐ3位に入賞し初めての表彰台を経験した。一方、その代償として怪我も多く、シーズンを通して無傷で過ごしたことはほとんどない。昨シーズンはナショナルチームのメンバー外として開幕を迎えながら全日本選手権で優勝（2連覇）。チーム復帰とオーレ世界選手権への出場権をつかんだ。しかし、ワールドカップに復帰した最初のレース、ウェンゲンのスラロームでまたしても負傷。その時点で彼の2018／19シーズンは終了した。したがってFISポイントを稼ぐことができず、今季も残念ながらメンバー外。しかしリハビリとトレーニングを順調にこなし、調子は悪くないという。実力的には現在も日本のトップにいることは間違いなく、完全復活が待たれる。