「ラグビーの母国」、イングランド代表。2003年オーストラリア大会決勝は延長戦の末、初優勝。現在まで北半球で唯一、ウェブ・エリス・カップを掲げたチームである。しかし、2015年大会では、自国開催ながら予選プールで敗退する憂き目を見る。そのため、大会後にオーストラリア出身のエディー・ジョーンズ前日本代表HC（ヘッドコーチ）が、外国人として初めて指揮官に就任。

2016年のシックス・ネーションズではいきなり全勝優勝し、ワラビーズにアウェイで3連勝、10年間勝てていなかった南アフリカに勝利。さらに2017年のシックス・ネーションズも最終節にアイルランド代表に敗れるものの連覇を達成した。ジョーンズHCは18連勝を達成し、世界に再びその名を驚かせた。

その後は、やや低迷したものの、若手を積極的起用し、層を厚くすることにも成功。キャプテンには三拍子揃った司令塔SO（スタンドオフ）オーウェン・ファレルが任命され、FW（フォワード）には、LO（ロック）／FL（フランカー）マロ・イトジェ、FL／NO8（ナンバーエイト）ビリー・ヴニポラら能力の高い選手も揃う。

大会直前のテストマッチでもアイルランドに57-15と勝利し、イタリアを完封するなど調子は上向き。スクラムとラインアウトといったセットプレーラグビーを軸に、攻守において圧倒する「イングリッシュ・ウェイ」で、エディー自身、HC初となる優勝をラグビーの母国にもたらすことができるか。