注目選手

王者クルセイダーズだけでなく、オールブラックスでも12番を確保しつつあるインサイドCTBだ。強いランだけでなく、トライを演出するパス感覚にも長けた選手だ。ニュージーランド北部の農場に生まれ、進学のためオークランドに移り、マウントアルバートグラマー高でプレーした。

農業科学を学びたかったため、卒業後は南島のクライストチャーチにあるリンカーン大学に進み、2014年にカンタベリー代表にデビューするが、翌シーズンに深刻な膝のケガをしてしまう。それでもリハビリを続け、2016年にクルセイダーズのトレーニングスコッドに加わり、その後はニュージーランドU20代表として世界選手権で優勝を経験、2015年はセブンズ代表でもプレーした。

2017年にクルセイダーズでスーパーラグビーにデビュー、プレーオフ3試合に先発出場し、決勝のライオンズ戦ではトライを取るなど優勝に貢献。出場はなかったが、その年のブリティッシュ＆アイリッシュ・ライオンズと対戦したオールブラックスのトレーニングスコッドにも召集された。

初キャップを得たのは、2018年6月のフランス代表戦。そこから代表に定着し、昨年のワールドカップメンバーにも選出、4試合に出場した。クルセイダーズでも、オールブラックスでも存在感を示し続けている。

◆今でも勉強も続けており、地域社会活動にも積極的に取り組む真面目な一面もある。双子の兄弟のジョシュもブルーズでLO（ロック）としてプレーしている。昨年のワールドカップでは、襟足を伸ばした「マレット」という懐かしい80年代風の髪形が話題になった。この髪型は、以前はLOブロディ・レタリックや、FL（フランカー）サム・ケイン、バレット兄弟などオールブラックスのチームメイトもやっていたが、グッドヒューだけ続けていたものの、最近突然やめてファンをガッカリさせた。

TEXT by 斉藤健仁