注目選手

正確なプレースキックを蹴る前の笑顔が特徴的で、「微笑みの貴公子」とも呼ばれるBK（バックス）だ。2018年はチーフスのFBだけでなく、SOとして名声を高めて、スーパーラグビーのベスト15、さらにMVPにも輝いた。オールブラックスでは、FBとしてコンスタントに試合に出場し続け、2019年のワールドカップでの活躍も大いに期待されていたが、昨年4月のブルーズ戦で前十字靭帯を断裂し、出場が叶わなかった。

2014年のU20ニュージーランド代表ではSOとして存在感を示し、2015年はマオリ・オールブラックスに選出。2015年にスーパーラグビーデビューを果たすと2016年は199得点、10トライとともにリーグ2位につけるなど躍動し、一気にオールブラックスまで駆け上がった。決して身長は高くはないが、スピードとステップが武器で積極的なランでトライに絡み、プレースキックの精度も高い。

2020年のスーパーラグビーで復帰を果たし、チームが低迷する中でもFBとして存在感を示して、再びオールブラックスに招集された。2023年こそ、その微笑みをフランスの地で見ることはできるだろうか。

◆インバーカーギル出身で、高校はクライストチャーチで過ごし、「ITM杯」（現・Mitre10杯）はワイカトでプレーし、そのままチーフスに所属している。実家は農家で、もしラグビーをしていなかったら、競走馬のトレーナーを目指していたという。好きな選手は同じポジションの先輩であるFBベン・スミス。

TEXT by 斉藤健仁