IJFワールドツアー、2019年3つ目の「グランドスラム」となるグランドスラム・エカテリンブルグ大会の開催がいよいよ今週末(3月15日〜17日)に迫った。この様子はJSPORTSで生中継される。

アスタナ世界選手権81kg級の覇者・永瀬貴規

アスタナ世界選手権81kg級の覇者・永瀬貴規

ともに史上最多の参加者が集まり、かつため息が出るほど内容の濃かったパリ大会とデュッセルドルフ大会が過ぎ去り、さらにグランプリ・マラケシュ(3月8日〜10日)を経た今大会は参加人数、メンバーともにややおとなしめ。このシリーズを東京世界選手権日本代表選手第3次選考の場と設定している日本勢も、最前線の選手は2月の2大会に派遣されたため、全体的なグレードということではどうしても一段下がる。本来バックアッパーの確保、あるいは実績を残した選手に与えるべき来期の布石として捉えられるステージであるが、選手個々にとってはキャリアを左右する勝負の場。特にこの大会に競技人生の浮沈が掛かるのが、日本の誇る2人のもと世界王者、81kg級の永瀬貴規と100kg級の羽賀龍之介だ。

2015年アスタナ世界選手権の金メダリストである永瀬は、2017年ブダペスト世界選手権の試合中に膝を負傷。手術を経て昨秋復帰したが、いまだにあの「無双」と評すべき強さは戻らず。11月のグランドスラム大阪は3位に終わり、代表レースでは藤原崇太郎と佐々木健志の後塵を拝している状況だ。世界選手権の大本命の立場から、自らは何らミスをしたわけでなくいきなりの負傷で畳から引っこ抜かれ、気が付けば世界の舞台で戦うどころか独走態勢だった代表レースでも3番手、このままでは東京五輪出場は覚束ないというまことに理不尽な事態。ここはなんとしても優勝してもう1度最前線で戦う権利を獲得したいところ。勝って、混沌極める81kg級世界であの無双と呼ぶべき強さがいまでも通用することをアピールする以外に生き残る方法はない。今回はまさに正念場だ。

同じく2015年アスタナ世界選手権の覇者・羽賀龍之介も負傷による欠場が長く、昨年11月の講道館杯で畳に復帰した(2位)ものの、続くグランドスラム大阪で入賞を逃し気が付けば立場は3番手。今シリーズではウルフアロンが2位(パリ大会)、飯田健太郎が優勝(デュッセルドルフ大会)と先行する若手2人が好成績を残しており、食らいつくには優勝以外にない状況に追い込まれている。その戦いぶりに注目。

注目階級としては永瀬が出場する81kg級を挙げたい。デュッセルドルフ大会で珍しいエアポケットが出来たばかりであるが、今大会はフランク・デビト(オランダ)、サギ・ムキ(イスラエル)、ヴェダト・アルバイラク(トルコ)、アレクサンダー・ヴィーチェルツァク(ドイツ)、ハサン・ハルモルザエフ(ロシア)と強豪がみっしり。「優勝候補20人、大会ごとに上位総入れ替え」が定番の81kg級らしい凄まじいメンバーが揃った。この中を永瀬が勝ち抜けば、少なくとも今シリーズにおいては日本選手最大の戦果を残したと評されることになって然るべしだ。

スカパー!×J SPORTS J SPORTS オンラインショップ