1987年
日本のモータースポーツ界は、何か浮き足立っているように感じた。経済は好調。右肩上がりになってバブル景気がスタートしていた。しかし、自身には特に何の変化もなかった。“浮き足立って”という表現は、モータースポーツファンの皆さんには失礼な表現かもしれない。だって、日本人初のレギュラーF1ドライバーとして中嶋 悟さんがF1GPに参戦!がその年だった。

当時、モータースポーツ専門誌のレーシングカート取材を担当していました。
87年の全日本カート選手権開幕戦を、茨城県の猿島カートランドで迎えていた。予選日、パドックが一気にざわついた。当時は、デジタルタイミングモニターなどなかった。結果を知るにはタイムトライアルが進むにつれて、各チームの計測を個々に取材して総合し、公式タイム計測結果を待つしかなかった。他雑誌の記者が教えてくれて。「サト君がポールをとったみたいだ」
レースの直前に16歳になったばかりの少年がトップクラスA2のタイムトライアルでベストタイムを叩き出したのだった。その少年は、前シーズンには一つ下の全日本A1クラスのチャンピオンを獲得してステップアップ。いきなり速さを披露した。そのレースで少年は、エンジントラブルでリタイヤ、A2クラスデビュー戦で勝利を得ることはなかったが、年間3勝をあげてチャンピオンを獲得。1989年にもチャンピオンに輝いて、翌年4輪、F3にステップアップしていった。

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