海外勢からは90kg級のチェン・シュンジャオ(中国)を挙げたい。リオ五輪では古風な「一本大外」一本槍で優勝候補を次々撃破して見事3位に入賞、翌2017年のグランドスラム・パリでは一転豪快な担ぎ技で「一本」を量産して優勝をかっさらった、あの選手である。実はチェンの国際大会出場はこの時以来。81kg級同様大混戦のこの階級にあっていまだあの爆発的な力を発揮出来るのか。若手ではグランドスラム大阪で飯田健太郎を破って決勝まで進んだカナダの至宝、100kg級のシャディ・エルナハスに注目。世界的にはまだ無名だが、これから必ず出てくる選手である。

ドラマが多すぎて追いかけきれないのは女子も同様。昨年の世界選手権で7階級中5階級を制した日本は全てが注目階級ゆえ、ここは敢えて地元フランスをフィルタとして大会を俯瞰したい。注目は絶対王者アグベニューが大会連覇を狙う63kg級、日本首脳陣が「最大の難敵」と規定するマリーイブ・ガイがワールドマスターズを圧勝した新添左季と対決する70kg級、チュメオとマロンガの新旧エース2人が日本の牙城に挑む78kg級、こちらもルスヴォとオトーヌ・パヴィアの新旧エース共演の57kg級。この中ではクリムカイトと出口クリスタのカナダ勢に、玉置桃、シウバと役者が揃った57kg級が熱い。

素根選手(左)とオルティス選手(右)

素根輝はオルティスと3度目の対決が予想される

個のドラマとしては78kg超級の素根輝とオルティスの対決に注目。素根は世界王者朝比奈沙羅に3連勝しながらグランドスラム大阪決勝でオルティスに敗れ、課題であった海外勢への適性にひとつ疑問を残した。ワールドマスターズではきっちりリベンジしたが、今回連勝となればあの傷は完全払拭、むしろ「海外の強豪に強い」というところまでステージを上げられる可能性がある。

※2月7日時点のエントリー情報をもとに作成しています

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古田 英毅
柔道サイト 「eJudo」編集長。国内の主要大会ほぼ全てを直接取材、レポートを執筆する。
コラム「eJudo's EYE」の著者でもある。自身も柔道六段でインターハイ出場歴あり。J SPORTSワールドツアー中継ではデータマンを担当。

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