一軍キャンプには、浅村栄斗のほかにも、他球団から移籍してきた“新しい”注目選手がいる。

広島カープから移籍してきた福井優也だ。キャンプ序盤、浅村と違って周囲が騒がしくなることもなく、福井は淡々と準備を進めている様子だった。

プロ9年目、初めて広島カープではないチームでキャンプインを迎えた。2010年にドラフト1位指名を受けてプロ入りした右腕だ。日本ハムの斎藤佑樹、西武の大石達也とで「早稲田三羽烏」と大きな注目を集めたことを覚えている人も多いだろう。

福井は、ルーキーイヤーに8勝、15年には9勝をあげるハイライトがある一方で、“低迷”と呼ばれる期間は長い。ここ数年は登板機会も少なく、昨季は未勝利。先発要員の欲しい楽天が、オフに菊池保則とのトレードで獲得した。

だから、衆人の目は「期待」というわかりやすいものではない。「果たして、どのぐらいできるのか」という興味の眼差しだ。そうした視線を集めるなか、本人はいったいどんな心境でいるのか話を聞いた。

「新鮮ですね。新人の気持ちというか、気持ちを新たにできる。すごくワクワクしています」。

少し遠くを見て、福井は言う。日焼けした顔に、充実感がのぞく。初めての久米島キャンプ。この沖縄の離島で迎えるキャンプインに備えて、直前の自主トレも沖縄で行った。暖かい環境で、早めに仕上げていけることを目指したのだという。

「今は(自分のことを)見てる人もきっと、どんな感じなんだろうって見てくれている。今までのように、『こいつはな…』と見られるのとは違うというか。とにかく、すべてが新鮮です」。

どこか吹っ切れているようで、清々しい。自らの置かれている立場が決して甘くはないことをも知りながら、希望に満ちている様子が伝わってくる。

「今日、ブルペン終わりに伊藤(智仁)投手コーチに言われたんです。『今みたいなボールを投げてるなら大丈夫だね』って」。

「ちょっとしたリップ・サービスかもしれないですけど、それを勘違いしてというか、そうなんだと思ってやっていきたい。(自分は)まだまだできるんだって、改めて思わせてくれました」。

まもなく迎える誕生日で31歳になる。まだ老け込むには早い。強いストレートと多彩な変化球は、これからどんどん磨かれていく。その様子を見守りたい。

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