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Text by ウェイ・ション
今年の四大陸選手権は7年ぶりに北米で開催されることになる。今大会の会場であるホンダ・センターを含め、北米のアイスリンクはアイスホッケーのアリーナとして使われることが多く、そのリンクの寸法・サイズや氷の固さは、普段フィギュアスケートがメインとなるリンクで練習する選手にとって若干慣れていないことであろう。特にジャンプからの得点が技術点における割合が高い男子シングルにとって、どのようなカーブで助走する、どこの場所で踏み切る、どのようにエッジをコントロールして着氷するなど、リンクの状況によってジャンプの跳び方を微調整しなければならないということもよく耳にする。四大陸からスケーターが集まる今大会で、男子の選手たちがどれほどリンクとうまく付き合い、ダイナミックなジャンプと見事な滑りを見せてくれるのか、観るものをワクワクさせるものだ。
けがを乗り越え メダルのアップグレードへ 宇野昌磨
パーソナルベストや今シーズンの実績などを見ると、五輪王者の羽生結弦が休養中、グランプリ・ファイナル金メダリストのネイサン・チェンも学業を優先するため不参加となる中、今大会での優勝の最有力候補は異議もなく宇野昌磨だ。
ただし懸念は、12月末の全日本選手権の練習中で捻挫した右足首の回復具合だ。実際、本人が自身の公式サイトで「怪我が思ったよりも長引いてしまいまして、一時は四大陸選手権も間に合わない可能性もあり」と書き、そして「じっくりと休養し世界選手権のみ臨むことも考えましたが、怪我で長く休んだ身体に試合感をつける必要性を感じ、今回は四大陸選手権に出場希望を出しました」と説明した。まだ万全な状態ではなさそうだが、すでに渡米して現地で調整しており、現地情報によると異常はなさそうだ。
もちろん、完成形となる「ムーンライト・ソナタ」の演技も見たいし、悔しさが残らないような結果も期待しているが、体を最優先し、無理せずに今できる限りの演技を見せてくれるだけでも、十分見ごたえがあると信じる。なぜなら、底力が強いからだ。
座を守る ボーヤン・ジン
グランプリシリーズの結果だけを見ると、ボーヤン・ジンの名前を見落としやすいが、ディフェンディングチャンピオンの実力を忘れてはならない。確かに、シーズン前半ではコーチ変更を巡る葛藤が長引き、そして試合の直前に航空券やビザのトラブルが続出したこともあり、一時期心理的にネガティブになり、その影響で本番でなかなか実力を出しきれなかったと本人が話してくれた。しかし、その後いろいろ調整し、新しいルールにも慣れつつあり、12月末の全国選手権で調子を取り戻し、4ルッツを含めて高難易度のジャンプを次々と成功させ、(国内試合なので参考にならないが)300点超えの高得点を叩き出した。今大会でまたこのような演技をできれば、四大陸王者の座を守ることができる可能性もかなり高い。
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