そして、先にゴールを決めたのはマンチェスター・シティだった。クロスの跳ね返りを拾ったベルナルド・シウヴァが強引に左から持ち込んでクロス。受けたセルヒオ・アグエロがそのまままったく角度のないところからGKの肩口を打ち抜く強烈なシュートをゴールネットの天井に突き刺したのだ。

まさに、ワールドクラスのストライカーにしか決められないスーパーなゴールだった。

この試合はアウェーゴール・ルールが適用されるセカンドレグと同じだ。同点では物足りない状況だったのでマンチェスター・シティが最初から勝利のために攻めに出た試合であり、実際には0対0であるのに、リードしているのと同じ状況のリヴァプールが守っていた試合だった。だが、マンチェスター・シティに先制ゴールが生まれたことで、後半はリヴァプールが攻撃に出ざるを得ず、一方のマンチェスター・シティは早くも1点を守る意識が高くなる。

布陣を変えたわけでもなければ、選手交代を使ったわけでもないのだが、ゲームの流れ、両チームの意図が明らかに変化した。そして流れをつかんだ時点でようやくクロップ監督が動く。ファビーニョを投入して、サラーをトップにフィルミーノをトップ下に置く、最近よく使っていた4−2−3−1に変更。これで、マンチェスター・シティの前線へのボールの供給も遮断して、リヴァプールが完全にゲームをコントロールした。

そして、69分にはリヴァプールが同点に追いついた。右サイドバックのトレント・アレクサンダー=アーノルドから左サイドバックのアンドリュー・ロバートソンへの大きなサイドチェンジ。折り返したボールにフィルミーノがフリーで合わせたもの。

ところが、マンチェスター・シティはすぐにカウンターからレロイ・サネが決めて再びリード。これで、ゲームの性質はまったく変わった。

それまで攻める側と守る側にはっきり分かれた特殊な状況の中で、冷静な計算の下に進められていたゲームが一気にヒートアップ。最後の20分間はパッションとパッションがぶつかり合う激しい攻め合いとなり、リヴァプールにも同点ゴールのチャンスはあったものの、2対1のスコアのままで終了。プレミアリーグの優勝の行方は、この両者の一騎打ちの様相を深めることとなった。

ゲームとしては膠着状態の時間も長く、シュート数も9本対7本と少なめの試合だったが、「勝点差7」という特殊な状況を考え合わせるとよく理解できる試合だった。熱くはあっても冷静で緻密な計算ずくの試合。火星人記者も、地球最高峰の試合を堪能できたようだ。

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後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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