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Text by セルゲイ・ヴォルコフスキー
試合の行方
マキシムが戻ってきた!尤も、スケート界の放蕩息子である
マキシム・コフトゥンを知るロシア国民からすれば、さもありなん、という感じなのだが、12月初旬のタリントロフィーでは247.55点で優勝を果たし、皆の予想を裏切って徐々に調子を戻してきている。落ちた崖から這い上がり復活出来れば、またスターに返り咲ける。直前に大会と同時にテレビ番組のコメンテーターとしても出演するというニュースも話題となった。結局それは断ったとのことだが、お騒がせぶりは相変わらず。我々としては「マキシム大丈夫、君が何をしても誰も驚かないよ!」と肩を軽く叩いてあげたいところだろうか。
フリースケーティングでマキシムと「カルメン」対決をするのは、ロシア選手権二連覇中のミハイル・コリヤダ。地上でも氷上でもフリーダムなマキシムとは正反対で、コツコツ真面目なしっかりした青年のイメージのコリヤダは、演技も衣装も全てがきちっと纏まっている印象だが、今季はどうもしっくり来ない。
これまた直近の情報で、副鼻腔炎のため現在入院治療中、だが大会には出場の意向とのこと。病状が心配されるが、大会本番では、病気とともに、不本意な今シーズンのこれまでを吹き飛ばすような演技が出来るだろうか。
セルゲイ・ヴォロノフは、「日本に来ると家に帰ってきたように感じる」と話す心優しい親日家だ。昨年に続き、今季もグランプリファイナルに出場を果たした。若い頃(!)は演技中いつスイッチが入るのかハラハラしたものだが、31歳になり「兄貴」からベテランの域に入り、心身のコントロールのコツが身についてきたようだ。
7月に非業の死を遂げた、カザフスタンの英雄、デニス・テン氏が振り付けたフリースケーティングは、祈る気持ちで観たいと思う。
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