ゾーンに入る

——じゃあそのソチ五輪が終わって、世界選手権。そのときに堂々の銀メダル。この結果についてはどう思う?

町田:自分も、ショートプログラムの「エデンの東」とフリースケーティングの「火の鳥」ともに、自分の能力を余すことなく発揮できたと思っています。なおかつ、そこに準優勝という成績もついてきましたから、これ以上幸せなことはないと思っています。それに、「エデンの東」ショートプログラムに限って言うと、まあスモールメダルですけれども世界選手権の金メダルが獲れたっていうのは、自分の1つの大きな誇りです。

——誰もが獲れるわけじゃないからね。それはやっぱりすごいよ。結果としてもすごいし

町田:でも、世界選手権は私はあの1度きりしか出場していないので。

——あ、そうなんや、1回だけなんや。だって次のシーズンも全日本で4位に入って…

町田:(世界選手権の代表に)選んでいただいたんですけど、そこで引退を決意したので。あの1回だけだったんですよ。非常に思い出深い大会でしたね。

——あの1回か。じゃあ、緊張した?

町田:落ち着いてたんですよね。

——あ、そうなの?

町田:はい。「絶対いける」っていう変な自信が…というか、不思議な感覚でした。

——あれだ、ゾーンだ

町田:ゾーンに入ってたと思いますね。2回しか経験したことがなくて、いわゆるゾーンみたいなことは。1つがさっきKENJI先生がおっしゃってくださった韓国で開催された四大陸のときと、あとはその世界選手権のとき、だけなんですよね。25年間で2回しか味わえませんでした。

——俺1回もないわ、40年間生きてて(笑)

町田:あら、そうですか?(笑)

——なんかあれなんでしょ?声は聞こえるけど(耳から)すり抜けていくとかっていうね

町田:いや、というよりも、演技中何の不安もないんですよね。絶対いけるっていう自信と、絶対にそうなるっていう。

——なんでそれ、できたと思うんやろうね

町田:何なんでしょうね〜。まあほんとにソチ五輪のパフォーマンスも成績もものすごく満足していたんですけれども、それでも「エデンの東」「火の鳥」ともにミスはありましたから、これを何としてでもシーズンの最後の世界選手権大会で完成させたいという思いからほんとに猛特訓をしていたので、その練習の成果っていうのはあったと思いますね。

——まあでもそうやろうね。やっぱり、練習してきたことをできる強い気持ちと確かな練習量で、ゾーンに入るんやろうね。やっぱり自信なんやろうね

町田:そうなんです。普段の競技会だと、例えば次のジャンプへ行くときには「次のジャンプはここと、ここと、ここを気を付けたら大丈夫」ってある意味言い聞かせながらやっているんですけれども、そういうときは私の場合は何も考えていない。「絶対大丈夫」っていう感じで落ち着いていくっていう。だから全く疲れないんですよ。

——っていうよね!なんか

町田:はい。呼吸も乱れないし、終わっても全然疲れないっていうような感じでしたね、私は。

——いいね、そんな経験できて

町田:そうですね〜。

お知らせ

12月に町田樹のエピソードを放送!オンデマンド配信も!

【町田樹 前編】12月11日(火)午後10:00 -
【町田樹 後編】12月18日(火)午後10:00 -

フィギュアスケーターのオアシス♪ KENJIの部屋
フィギュアスケートを”文化”にまで昇華したいと真摯に語る町田さんは、宮本さんからの「フィギュアスケーターにとって最も必要な素質は?」という質問に対して、「技術を磨き続けることのできる職人気質、あくなき探求心とともに、表現力を磨くための知的感性、そして一発勝負に臨む勝負師としての心構え」と答え、宮本さんと熱いフィギュアスケート論を交わします。

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