粘り強さと技術のぶつけ合いを制したのは、奥原だった。バドミントンの国際大会「BWFワールドツアーファイナルズ」(中国、広州)は15日に各種目の準決勝を行い、女子シングルスでは奥原希望(日本ユニシス)が2-0(21-17、21-14)で山口茜(再春館製薬所)との日本人対決を制して決勝進出を決めた。奥原は3年ぶり2度目の優勝に王手。山口の連覇はならなかった。

日本代表のチームメートで互いに手の内を知り尽くす両者は、2週間前に国内で行われた全日本総合選手権で対戦。山口がストレートで勝って優勝した。この試合が、次の対戦の展開を変えた。守備重視の山口を相手に攻め急いで敗れた奥原が、今度は守備を重視。互いに大きなクリアでコート奥へ追いやりながら、相手に上からのショットを打たせ、ネット前に返して下から拾わせるスタイルの応酬となった。

上回ったのは、奥原の自信だった。「ストロークには、自信がある。それと、ディフェンスが私の持ち味。フットワークと体力なら、誰にも負けない」と話した通り、強打を打たずに前後に揺さぶり合う展開の中で、ショット精度で上回り、相手より先にはミスをしない展開に持ち込んだ。奥原は「前回は相手が『(相手の攻撃を)待ってみよう』と言っていたので、今度は私も待ってみようと思った。打って、走って、リカバリーのフットワークなら自分が上」と話した通り、ラリーの丁寧さで試合をリードした。

ただ、全日本総合から攻め急がないというテーマに取り組んでいる山口も、しっかりとクリアを返していく形で丁寧に応戦。決して、相手の術中にはまったという展開ではなかった。それでも、全日本総合の会場よりシャトルが飛びにくかったため、なかなか攻撃して優位に持ち込めるという球を見つけることができなかったという。「相手のショットの精度が良くて、仕掛けるタイミングを見つけにくかった」と攻略法を見出せなかった試合を振り返った。

ほぼ互角の試合で、試合環境やコンディション、前回対戦のイメージなど、あらゆる事象が勝敗を左右する拮抗した勝負だった。2人は、2020年東京五輪の金メダルを目指す、日本女子シングルスのダブルエース。奥原は「この舞台で戦えるのは光栄。ともに勝ち上がったからこそ実現した舞台。世界の舞台で日本のシングルスの強さを見せられて嬉しい。来年も茜ちゃんとは、何回も対戦すると思うし、切磋琢磨していきたい」と頼もしい仲間にして、好敵手でもある山口とさらに高め合っていく姿勢を示した。

勝った奥原は、決勝戦で、プサルラ・V・シンドゥ(インド)と対戦する。過去の対戦成績は、6勝6敗。奥原が銅メダルを獲得したリオデジャネイロ五輪では準決勝で対戦して敗れたが、優勝した昨年の世界選手権では、決勝で奥原が勝っている。今季は、世界選手権の敗戦を含めて1勝2敗。奥原の粘り強さを知るシンドゥは「長い試合になるでしょうね」と耐久戦への覚悟をのぞかせた。何度も名勝負を繰り広げている2人が、頂点を争う。

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平野 貴也
1979年生まれ。東京都出身。
スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集・記者を経て、2009年に独立。サッカーをメーンに各競技を取材している。取材現場でよく雨が降ることは内緒。

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