「スピード、フィジカルが重視される一戦だったため」「背中を痛めている」など、エジルが欠場した理由はいくつかあるが、やはりエメリ監督が求めるタイプではないのだろう。攻撃→守備への切り替えが鈍く、オフ・ザ・ボールの際は存在感が希薄になるエジルを、アーセナルの指揮官は重視していない。アレクサンデル・ラカゼット、ピエール=エリック・オーバメヤン、ヘンリク・ムヒタリアンなど、労を惜しまずにプレッシングできるタイプがお気に入りだ。

したがって、エジルの序列が急上昇するとは考えにくい。ベンチに入ることさえ難しくなるため、来年1月にアクションを起こす確率が高くなってきた。また、アーセナルもエジルを手放せば週給35万ポンド(約4900万円)が浮く。市場の相場は4000万ポンド(約56億円)前後だ。この額であれば即戦力のCBを獲得できる。双方の意見が合致する公算は決して小さくない。エジルのアーセナル脱出は絵空事ではなく、近未来に起こりうる現実と考えるべきだろう。

それにしても……。

エジルほどの名手が新体制発足後半年足らずで苦しい立場に追い込まれるとは、だれが予想しただろうか。ジャック・ウィルシャーがウェストハムに去り、アーロン・ラムジーは今シーズン限りで退団する。アルセーヌ・ヴェンゲル指揮下の《風景》は歴史の一部分になろうとしている。アーセナルの《時間》が、急速に動きはじめた。

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粕谷 秀樹
月刊ワールドサッカーダイジェスト初代編集長を務めた。海外サッカーの解説者としても活躍。

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