◆「ファールを打たせる感じをつかんだ」

10年目の辛島航は、今季さらに「引き出しが増えた」象徴として、6月1日のヤクルト戦での一場面を選んだ。チーム状況も悪く、この日も敗戦投手になったものの、7回3失点と試合をつくった。

今季もトリプルスリーを達成した山田哲人との対戦では、課題として取り組んでいた、「ファールを打たせるイメージで右打者へ変化球を投げること」ができたと自身の成長を認める。事実、この日の辛島は山田と3度対戦し、ノーヒットの2三振に封じている。

「ファールを打たせるって、こういうことかと感覚を掴んだんです」。長年に渡って先発ローテーションを担ってきた辛島は、今季も苦労しながらバージョンアップを遂げたのだ。

調子が下がった時は、佐藤義則投手コーチはじめ、野手の渡辺直人、捕手の細川亨に話を聞いて、自分の配球を洗い出した。その結果、こうした引き出しを増やせたのだと明かしている。

島内宏明

不動のレギュラーとなった島内宏明は、7月5日のソフトバンク戦で2回に自身が勝ち越しの3ランを放った場面を選んだ。

簡単に2ストライクを取られながらも、フルカウントまで粘り、高めでやや内に入ったカットボールを、見切っていたかのように合わせた一打。何かゾーンに入っていたのかのように島内は語る。

「2ストライクを取られた後も、ギリギリのコースも見逃せたんです。最後も厳しめの球だったし、普段なら打てないところ」。

「けれども、力むことなく、逆方向にさっと(自分の身体が)入っていって、ちゃんと腕をしっかり畳んで打てたんです。理想の一発でしたね」。

2年連続の2桁ホームランを記録するも、バッティングは「なかなかうまくはいかないですよ。正直、僕だって金属で打ちたい」と仰天告白。

もちろん、職人がつくっている一級品の木製バットを使っているのだが、島内いわく、「僕はかなり繊細で、1本1本の違いが気になる。だから、1本折れただけで、感覚が狂うんです」。

そんな時は、あえて打ちにくいバットで打つ”荒療治”をすることもあるのだという。どんな試合、どの場面にも、選手の苦労は絶えない。だから、野球は面白いのだろうけれども。

◆ファンが選ぶ!東北楽天ゴールデンイーグルス 2018 ベストゲーム放送予定
・11月10日(土)午後10:00 楽天 vs. 北海道日本ハム(9月29日)J SPORTS 2

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松山 ようこ
フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。ツイッターyokobooboo

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