小塚:なるほど。これはもう必須要素なんですね。

東野:そうですね、コレオの必須ですよね。

小塚:これがなかったら?

東野:うーん、まあ、コレオは全部GOE評価ですので、無くなるだけなんですけれども、特にやらないから減点というわけではないんですね。ただ、得点がどんどん下がっていってしまいます。

小塚:なるほど。で、10番「ChLi1」が3つめですね。

東野:はい、3つめのコレオ・エレメンツです。このカップルは「コレオリフト(ChLi)」を選択したんですね。これは、必ず記号(Li)が付くリフトの後に入らないといけないんですね。リフトの個数というものがやはりウェルバランスのフリーダンスの中で決まっていますので、このコレオリフトを、記号が付くリフトの前でやってしまいますと、レベルの付くリフトとして認定されてしまいます。でもコレオリフトは、実際は難しいバリエーションとかっていう形ではない、振り付けの創造性のリフトですので、結局損をしてしまう。

小塚:コレオ・エレメンツは、これらの3種類だけではないですよね?

東野:5種類あります。あとは、「コレオグラフィック・スライディング・ムーブメント(ChSl)」。今年から新しく登場したものなんですけれども。

小塚:スライディングするんですか?

東野:はい。あの、昔よく男の子とか遊んでたんですけど、こう、横たわって1回転するとか(笑)。

小塚:あーはいはいはい、ぴゅーっと投げてもらって、くるくるっと回って。

東野:そう、回ってまた立つとか。まあ横たわるものは違反要素なんですね、今。あるいは、両膝をついて回っていくとか、それは転倒扱いなんですが。そういったものも含めて、体のどの部分で氷上をスライディングしていても、このエレメンツの中なら大丈夫です。

小塚:コレオスライディング、ってことは「Sl」なんですね。

東野:そうですね。やはりダンス1ユニットですので、ポーズはもちろん違っていてもいいんですけど、2人同時に始める。そうしないと、わからない(笑)。

小塚:まあ例えば1人がこけたところをごまかしながらつるつるっと…(笑)。

東野:1人がブレードで滑っているところを1人がスライディング、横たわって普通だったら転倒や違反要素になってしまうポーズをしたら、これはやはりコレオ・エレメンツとは認定できないので、両膝を付くなどイリーガル(違反)だったらマイナスになっちゃいますね。

小塚:なるほど。どちらかというと、今までエキシビションとかでよく見ていたようなムーブメントを2人で同時に始めたら、このコレオスライディングというような呼び名になるってことですね。じゃ、5つめのコレオ・エレメンツです。

東野:これは「コレオグラフィック・ツイズリング・ムーブメント(ChTw)」です。記号(Tw)がつくツイズルというのは、片足でくるくるっと回転しながら両者とも移動していくという動作です。でもコレオのツイズルは、片足でも両足でも、セットで。

小塚:セットなんですね。

東野:そうです。ツイズルはダンスプログラムの中で、至るところで宝石のようにちりばめられていますから、スケーターたちの意思はどこなのか、っていうのはやはり認定しないといけないので。最初のパートのコレオツイズルは、片足でも両足でもいいけどパートナー同士が離れて同時にやる。で、ステップを挟んで2つめのパートは、どちらか一方が2回転以上すればいいですよ、ということです。

小塚:ふーん。

東野:これ割と、2、2と続くんですね。2回転の動作の「コレオスピニング・ムーブメント(Chsp)」、2回転のツイズルの「コレオグラフィック・ツイズリング・ムーブメント(ChTw)」。

小塚:まあ先ほどから、名前が「ツイズル」じゃなくて「ツイズル系の(ムーブメント)」、「スピン」じゃなくて「スピン系のムーブメント」、というような感じになってますよね。

東野:そうですね、ツイズルを入れた自由な発想のコレオをやってください、ということですね。コレオ・エレメンツのうち、スピン(Chsp)、ステップ(Chst)、スライディング(Chsl)は、(プログラム内の)どこに入れてもいいんです。リフト(ChLi)とツイズル(ChTw)は、記号(Tw)の後、つまりレベルの付く必須要素の後に入れます。

小塚:ってことは、コレオのツイズルの場合は、3番の要素「SyTwL+SyTwM4」にあるようなこの「Tw」という表記の後にしか絶対来ない。

東野:余談ではあるんですが、コレオ・エレメンツは5種類あるんですけど、入れるのは必ず3つまでなんです。5つあるから全部入れたりすると、入れ方によっては、余分な要素として-1とかペナルティがついてくるので。

小塚:なるほど、3つまでっていうことなんですね。

東野:はい。最初に行われた3つ、とか。結構ややこしいですけれども。

小塚:じゃあ今回のパーソンズ兄妹の場合は、スピンとステップ、リフトの3つを入れているってことですね。シーズンが始まってどんどん進んで行くと、今度はスライディングやツイズルが入ってくるかもしれないけど、ステップはシニアの人たちは必ず入れなければならないってことなんですね。

東野:はい。あとプラスアルファの情報なんですが、コレオのリフトは10秒以内です。どういうタイプとかは決まっていないんですけれど、時間だけは指定されています。

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元アイスダンサーであり世界を股にかけ活躍するコレオグラファー(振付師)宮本賢二氏。 トップスケーターからの人望も厚く、そのユーモラスなキャラクターで今では 日本フィギュアスケーターの兄貴的存在。 そんなKENJIが日本を代表するトップスケーターをゲストに迎えお届けする 30分のトークショー!

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