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9月、ドラゴンズは何度も這い上がってくる。15日現在、再びクライマックスシリーズ争いに加わり、順位を4位にまで上げた。好調を支える一番の要因は打線だ。1番に平田を据えてから活発な打線はセリーグでも上位クラスだ。
中でも好調打線を引っ張るのは1番の平田、そして4番のビシエドだ。ビシエドは8月の月間MVPを受賞し、9月もとどまる事を知らない。単なる好調の二文字では片づけられないビシエドは、いったい何が変わったのか、波留敏夫打撃コーチに聞いてみた。
「一番変わったのは左手(前の手)の使い方です。ビシエドはどちらかというと右手が強い。ボクサーで言うなら右フックでボールに衝突しに行くバッティングだった。インコースを攻められても、身体を開いて右手でボールに衝突しに行く打撃だったから死球も基本は右手に当たる」。
「今は左手がしなるように使えるからインコースはさばく。余裕もできて見逃す事が出来ている。なんでも打つのは無理だからね。打てるボールを待つ状況を作れる。そのカウントに持っていけるんです」と話す。
今シーズン、ビシエドは日本球界3年目を迎える。単純に日本野球に対して“慣れた”と感じてしまうが、波留コーチはそこを否定した。それは順応でなくビシエドの努力だった。
波留コーチは「今年は左手だけでバットを持って、ひたすら自分の身体の幅の中でボールをはじく感じの練習をしたり、逆手(バットを握る際、右手が下で左手が上、通常と逆)でバットを持って体が開かない練習をしてきた」。
「ビシエドなりにボールを迎えに行かない。自分のゾーンまで呼び込んで体の幅の中で打つ練習をしてきたんです。それが実りました」と説明した。決して慣れではなく、今のビシエドは進化している。日本球界で成長したからこそ、今の成績があるようだ。
波留コーチはこう続けた。「例えばソフトバンクの柳田、あれだけバットを振っているように見えるでしょ。映像だとそう見えるけど、やっている事は同じ。身体の幅に呼び込んで右手(前の手)主導で打っている。1番だから4番だからっていう打者のタイプは関係ないんです。打つ打者には共通しているポイントがあるんです」と話す。
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