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サイクル ロードレース コラム 2018年9月13日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第17ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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マイケル・ウッズが長く苦しい試練を乗り越えて区間優勝!

マイケル・ウッズが長く苦しい試練を乗り越えて区間優勝!

人生における長く苦しい試練を乗り越えてきたマイケル・ウッズが、まるで責め苦のような激坂に打ち勝って、喜びを手につかんだ。深く濃い霧に紛れて、マイヨ・ロホを追い求める者たちもまた、死闘を繰り広げた。38歳大ベテランと23歳若者が驚異的な好調さを証明し、マイヨ・ロホは頼もしいチーム力を見せつけた。

荒れた路面と、最大23.83%にも達する激勾配。人はその坂道を「Infierno de hormigon(コンクリートの地獄)」と呼んだ。こんなバスクが隠し持っていた化け物へと向かって、スタートフラッグが振り下ろされた瞬間、オマール・フライレが矢のように飛び出した。熾烈なアタック合戦をかいくぐり、直後の3級峠で出来上がった逃げ集団にもまんまと滑り込んだ。おかげでバスクっ子は、32km地点に通過した故郷サントゥルツィを、先頭で駆け抜ける権利を存分に満喫した。

最終的に26人にまで膨れ上がったエスケープには、下一桁1番のゼッケンが多く見られた。1番ヴィンチェンツォ・ニバリ、121番イルヌール・ザカリン、141番ダビ・デラクルス、161番バウケ・モレマと、いずれも総合争いから脱落した強豪ばかり。また背番号こそ118ではあるものの、1年前のスペイン一周で総合7位と奮闘し、再度総合上位入を目指してスペイン入りしたウッズの姿もあった。

いわゆる「逃げ常連」もずらり肩を並べた。すでに数限りなく逃げて2位2回に泣いたモレマはもちろん、トップ5位4回というディラン・トゥーンスに、13日目にとんでもない若者に勝利を横取りされてしまったラファル・マイカに……なによりトーマス・デヘント!

すでに第2、9、12、13、14ステージで長距離の逃げを実現し、11日目と15日目にも序盤にわずかながら前方へ走り出たデヘントが、行く手に6つの峠が待ち受けるこの日を逃すわけがない。もちろん一旦エスケープに入り込んでからは、常に精力的に前を引き、山頂が訪れるたびに全力でポイントを獲りに行った。

こうして序盤5峠の全てで先頭通過を果たすと、山岳ポイント17ptを懐に入れた。ついには第2ステージから山岳賞首位を守りながらも、ここ数日は気管支炎に苦しんでいたルイス・マテマルドネスから、青玉ジャージを奪い取った。パリ~ニース、ツール・ド・スイス、ダウンアンダー、カタルーニャ一周等々ですでに山岳賞を持ち帰ったことのあるデヘントだが、3週間のレースでは2016年にツールとブエルタでジャージ着用の経験があるだけ。かつて大逃げでジロ総合3位を射止めた桁外れの「逃げスペシャリスト」が、いよいよ念願のグランツール山岳賞に輝くことができるだろうか。

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