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今季、創部100周年を迎えた早稲田大学。相良南海夫監督が今季から指揮を執り、チームスローガンを『Moving』に決め、新たなスタートを切った。ディフェンスにフォーカスした春シーズンだったが、その道のりは決して平たんなものではなかった。
関東大学春季大会の開幕戦の日本体育大学戦、続く筑波大学戦とまさかの連敗スタート。さらに、6月の招待試合でも、天理大学、明治大学に敗戦。「今は成長の過程にはある」(相良監督)と、一定の成長を認めつつも、強豪校との差を痛感する春となった。
しかし、この夏。早大は成長した姿を見せた。帝京大学に対して8年ぶりに勝利を収めたのを筆頭に、大東文化大学や東海大学には敗戦こそ喫したものの、最後の最後までどちらが勝利するかわからない接戦を演じた。
その要因は、ディフェンスの粘り強さが増し、リロードが速くなったことだった。10年ぶりの『荒ぶる』へ向け、成長曲線を描いている早大の今季の戦力を見ていきたい。
◆レベルアップした司令塔
早大のカギを握るのは、やはりハーフ団のSH(スクラムハーフ)齋藤直人(スポ3=神奈川・桐蔭学園)と、SO(スタンドオフ)岸岡智樹(教3=大阪・東海大仰星)だ。
「日本代表 第二次ラグビーワールドカップトレーニングスコッド」に選出された齋藤はこの春、サントリーサンゴリアスでのトレーニングや、NDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)にも参加し、この夏から早大に帰ってきた。
ハイレベルな環境でさらに一皮むけた齋藤が、持ち前の素早いパスアウトからテンポを生み出し、タレント揃いのBK(バックス)陣を統率してくれるだろう。また、エリアマネジメントを重要視している早大にとって岸岡のキックも、大きくカギを握ることになる。
実際、夏季のオープン戦では岸岡のキックによるエリアマネジメントが功を奏した部分も大きい。岸岡のキックが早大の勝敗を大きく左右すると言っても過言ではないだろう。
また、他にもBK陣には多くのタレントが揃っている。強力なタテへの推進力が武器のCTB(センター)中野将伍(スポ3=福岡・東筑)は早大には不可欠であり、春シーズン結果を残し、レギュラーに定着したCTB桑山淳生(スポ3=鹿児島実)もいる。
また、ルーキーながら夏のオープン戦3試合では堂々たるプレーを披露したCTB長田智希(スポ1=大阪・東海大仰星)、FB(フルバック)/WTB(ウィング)河瀬諒介(スポ1=大阪・東海大仰星)が、どのようなプレーを見せてくれるかも目を離せない。
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