背番号「15」が、カープの永久欠番になって2年、ついに背番号「25」、新井貴浩までもがユニフォームを脱ぐ決断をしてしまった。

カープが、7度目のサヨナラ勝ちで、7連勝した次の日だった。4-4で迎える延長12回、菊池涼介の詰まった打球が右中間へと落ちると、3塁の小窪哲也がホームベースを踏んだ。

新井さんはベンチから飛び出し全力の”来い来い来い来い”で菊池を呼び寄せ、菊池はいつも通り新井さんの胸へジャンプして水浸しになった。来年はもうこの光景が見られないのか。

台風の去った晴れやかな昼下がりだった。お天気と同じように晴れやかな顔をした新井さんは、淡々としていたが、一言一言しっかりと噛みしめながらに見えた。

「感謝」という言葉をたくさん使い、チームメイト、カープ球団そして我々カープファンへ想いを伝えてくれた。その時間の日本のトレンドワードは“新井さん”になった。

“新井選手”でも“新井貴浩”でもなく、“新井さん”。どれだけ広島で、日本中で新井さんが愛され、そして惜しまれているのかが伝わってくる。

きっと新井さんはまだできる。みんな分かっている。もしわがままを聞いてもらえるならば、ボロボロになるまで応援したかった。新井さんだからこそ、もうできないでしょって皆が思うまでやってほしかったし、それまでずっと見ていたかった。

ただ、新井さんはカープのためにユニフォームを脱ぐ覚悟を決めたんだ。少年の頃憧れた、大好きなカープだからこそ、自分から身を引くのだろう。

若い世代に、今の強いカープのうちに、自分の枠を若鯉がつかんでくれるために。なんとも新井さんらしい男気だと思うことで、わたしは自分を慰めている。

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