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大会で一番静かだったステージの翌日に、めまぐるしいアタック合戦が繰り広げられた。残り4.5kmで大きな一発をぶっぱなしたアレッサンドロ・デマルキが、ありえないほどのドンパチを独走で制した。サイモン・イェーツは1秒差のマイヨ・ロホを守り切ったが、ミッチェルトン・スコットとモヴィスターチームとの間では、フィニッシュ後に仁義なき口撃が飛び交った。
「弾は一発しか残っていなかった。脚は空っぽだった」(デマルキ)
全長200kmを超える今大会最長ステージを、プロトンは猛スピードで走り始めた。細かい起伏の続く難解な道で、無数の選手が、勇んで飛び出しをかけた。逃げスペシャリストのトーマス・デヘントはもちろん、すでに区間2勝を手にしているベンジャミン・キングや、今ジロ総合4位のリカルド・カラパスもチャンスを狙った。3大ツール全制覇のヴィンチェンツォ・ニバリや、今大会マイヨ・ロホを3日間着用したミカル・クヴィアトコウスキーさえも大胆に逃げを試みた!
しかも延々とバトルは続いた。数人が前方に走り出すと、プロトンが吸収に動く。集団がひとつになると、すぐに誰かがカウンターアタックを仕掛ける……。時速48km超というとてつもない高速の中で、ただひたすら、分裂と吸収とが繰り返された。
おかげで、単純なメカトラブルで足止めを食らったミゲル・アンヘル・ロペスは、集団復帰にひどく苦労させられた。27秒差で総合7位につけるコロンビア人クライマーは……なんと一気に1分半も離されてしまったのだ!チームメートたちが必死に引き上げてくれたおかげで、約50kmもの追走の果てに、ようやくプロトンへの合流を成功させた。
なにしろ気が遠くなるほどのアタック合戦は、実に2時間以上も続いたのだ。集団前線で必死に対応を続けてきたサイモン・イェーツ親衛隊も、ついに限界が迫っているのを感じた。
「ステージの折り返し地点まで延々仕事を続けたけど、もうこれ以上はとても無理だった。チームメートたちは完全に疲れ切ってしまった。だから逃げ集団に選手を送り込むことで、マイヨ・ロホを守る作戦へと切り替えた」(サイモン・イェーツ)
こうしてスタートから105km、ようやくエスケープが許された。19人の大きな集団が出来上がり、ミッチェルトン・スコットは総合で4分29秒遅れにつけるジャック・ヘイグをまんまと送り込んだ。
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