ツール・ド・フランスを4度制覇し、昨夏からグランツール3大会連続でリーダージャージを勝ち取ってきた現役最高のグランツールチャンピオンが、最終峠の山頂まで2kmで、周囲の加速についていけなくなった。マイヨ・ジョーヌを身にまとうチームメートは前へ遠ざかっていき、クリス・フルームはただ霧の中で喘ぎ苦しんだ。かつて最大のライバルと謳われたナイロ・キンタナが区間を制し、ずっとアシスト役を務めてきたゲラント・トーマスは、ついに自らがチームリーダーと呼ばれるべきポジションにあることを認めた。

65kmというありえないほど短いステージは、スタート前からすでに過熱していた。出走は午後15時過ぎだというのに、午前中には、チームスカイは前日の最終峠へ練習に出かけた。チームバスの周りにはずらりとローラー台が並び、実際のルート上でウォームアップに励む選手も多かった。

なによりスタート地の道路には前代未聞のスタートグリッドが描かれた。最前列ポールポジションにはマイヨ・ジョーヌのゲラント・トーマス。左右後ろには総合2位フルームと3位トム・デュムランを従えた。そしてスタートシグナルが赤から青に変わった瞬間に、146人のプロトンはいきなり本スタートを切った。

……ただ、悲しいかな、開催委員会の思惑通りにはいかなかった。自転車特有の構造が弾丸スタートの邪魔をしたのかもしれない。たとえばフェンス側の場所を用意されたプリモシュ・ログリッチェは両足をしっかりペダルに乗せていたけれど、大部分の選手は信号が青になってからよいしょっとシューズのクリートをペダルにはめて、それからよろよろと走り始めたのだ。

しかも総合順位に従って5グループに分けられていたはずのプロトンは、あっという間に普通のプロトンになった。さんざん事前に煽られていたような、ゼロkm地点から総合表彰台争いが勃発することもなかった。真っ先に飛び出したのは第2グループに所属していたリリアン・カルメジャーヌで、真っ先に先頭を走り出したのもやはり、第2グループのタネル・カンゲルトだった。

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