7月9日、サンフランシスコでキャッチボールを再開したダルビッシュ

足元を抜いた打球を、シカゴ・カブスのエース左腕ジョン・レスターは倒れながら振り返った。打ったのはレッズの3番ジョーイ・ボット。俊足と言うわけではないが、マウンドに当たって打球が死んだ分、少しでも守りに乱れが生ずれば一塁は間に合わない。そもそも二塁手は、左打ちのボットに対するシフトで一塁側に寄っているはず―。

そう思った瞬間、カブスの二塁手=ハビアー・バエズは涼しい顔して打球に追いつき、逆シングルで補球すると、これまた「何てことないよ」という感じで一塁へ送球してみせた。

記録的には二塁ゴロだが、捕球も送球も難易度は決して低くない。打球に対する反応の速さと的確なグラブさばき、ランニングスローを可能にする肩の強さと的確なコントロールが要求される「内野ゴロ」であり、とても地味な「ファインプレー」だった。

セイバーメトリクス(野球の統計分析)全盛の時代だ。RF= Range Factor(レンジ・ファクター)やZR=Zone Rating(ゾーン・レイティング)、UZR=Ultimate Zone Rating(アルティメット・ゾーン・レイティング)など、守備を評価する新しい指標はいろいろ実用化されているが、バエズの守備はそれらを超越しているような気がする。

数字では計り知れない何か。例えばそれは、相手チームが二盗を試みた際に見せる走者への叩きつけるようなタッチであったり、シフトの逆を突かれながらも打球に追いついてしまう一歩目の速さだったり。そんなバエズの守備の「凄さ」を普段から実感しているのだろう。レスターは流れるようなバイエスの動きをずっと眺めていた。通算170勝のエースにしては珍しいことだった。そう言えば、ロサンゼルスに遠征した際、彼はこんなことを口にしていた。

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