そんな「ゲーゲンプレッシング」が、これからのサッカーの主流になっていくのか、それとも、伝統的なバランスを重視したサッカーがやはり主流であり続けるのか、レアル・マドリードとリヴァプールの対戦には、そんなサッカーの将来を占うという意味もあった。

いくらハイプレスをかけたとしても、そのプレスをかわしてパスを回せるだけの技術を持った相手にはプレッシングははまらない。そうなったら、間違いなく裏を狙われてしまう。しかし、それなら、さらにプレッシングの圧を高めていけばいいのではないか……。 そんな意味で、モハメド・サラーという強力な槍を擁して、今ではプレッシングの圧力という意味で間違いなく世界最強と思われるリヴァプールのサッカーが、斬新な戦術こそ使わないが、選手の質あるいはバランスという面では世界最強と思われるレアル・マドリード相手にどこまで通用するか……。

前半の途中まで、その興味に釘付けになっていただけに、30分でサラーがピッチから姿を消してしまったのはとても残念な出来事だった。 サラーは靱帯損傷で、「ワールドカップには間に合う」と報じられているが、エジプトの関係者はさぞ肝を冷やしたであろう。ハムストリングを痛めて同じく交代を余儀なくされたレアルのダニエル・カルバハルも、ワールドカップを控えて心配だ。

負傷者はともかくとして、ワールドカップ開幕まであと3週間強。このチャンピオンズリーグ決勝を戦った選手にとっては、束の間の休養を取って代表に合流する厳しいスケジュールが待っている。海外組が合流して、思った以上にコンディションに問題を抱える選手が多く、苦労しているのが日本代表の西野朗監督のようだが、チャンピオンズリーグ決勝に出場した選手を迎える各国代表にとっては、さらに大きな不安材料となるのだろう。

そういえば、4年前のブラジル大会があった2014年のチャンピオンズリーグ決勝はレアル対アトレティコのスペイン対決(というか、マドリード・ダービー)だったが、おかげでスペイン代表はコンディション調整に苦しみ、グループリーグ敗退となってしまった。

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後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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