しかもヴィヴィアーニには、気持ちの余裕があった。第2ステージは重いプレッシャーを感じ、第3ステージ序盤は逆に重圧から開放された反動で調子が上がらなかったそうだが、ラスト350mの最終コーナーの場面では、横入りしてきたライバルたちに「ちょっとスペースを与えて、彼らが果たしてどう動くつもりなのか」を観察する冷静さがあった。目の前を行くサム・ベネットの斜行にも、堂々たる対応を見せた。イスラエルで区間2勝目を上げ、ヴィヴィアーニは意気揚々と母国イタリアへと飛び立った。

風に揺れるイタリア国旗

ただし休息日を明けると、それほどスプリントの機会はない。火曜日から始まるシチリア島巡り3日間は、起伏にあふれている。特に第6ステージではエトナ火山で大会初の山頂フィニッシュを迎える。さらには週末には、イタリア半島を縦に貫くアッペンニーノ山脈を舞台に、山岳2連戦が繰り広げられる。「できるだけ長くマリア・ローザを守りたい」と誓うデニスは、果たして、わずかなタイム差をどこまで死守できるだろうか。開幕TTでデュムランに差をつけられたヒルクライマーたちが、おそらく、あらゆる手を使ってタイム差を埋めにかかってくるはずだ。なにより強固なチームに守られたフルームが、本格的な反撃機会を待っている。2018年ジロの本格的な戦いは、これから始まるのだ。

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宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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