勝負ごとは追いかける方が有利。それは誰もが認めるところだ。今季のサラーはここまでチャレンジャー精神を前面に押し出して戦い続けてきたから、公式戦48試合43ゴールという大ブレイクを果たせたのだろう。ただ、残り2試合で得点ランキングトップを死守しなければならないという「守りの立場」は慣れていない。

逆に、過去2シーズン続けてトップの座に君臨し続けてきたケインの方が精神的余裕を持てるはず。凄まじいプレッシャーのかかるこの状況をサラーが克服し、タイトルを手にできれば、彼は世界的ストライカーの仲間入りを果たせる。バロンドールに相応しい選手にもなれる。まさにキャリアを大きく左右するハードルを超えられるか否か。そこは非常に楽しみだ。

もしもケインが劣勢を跳ね返して、3年連続得点王のタイトルを取るようなことがあれば、それはそれで素晴らしいこと。イングランド代表キャプテンとして挑む1か月後の2018年ロシアワールドカップ本大会にも勢いが出るだろう。自国開催だった1966年イングランドワールドカップでの優勝以来、40年以上も頂点の座から遠ざかっているサッカーの母国からすると、ケインの一挙手一投足は大きな意味を持つ。彼が得点王を取ってくれた方がプラスだ。そういう自国サポーターの後押しを受けるケインが残り3試合でゴールラッシュを見せてくれるのか。そこも注目しつつ、2人の最後の熱いデッドヒートを楽しみたい。

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元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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