こうした5年間を振り返るだけで、吉田が世界トップ選手との熾烈なバトルを強いられてきたことがよく分かる。3月の2018年ロシアワールドカップアジア最終予選・UAE(アルアイン)&タイ(埼玉)2連戦でも、右ひざ負傷の長谷部誠(フランクフルト)の代役としてキャプテンマークを巻いたが、物怖じするどころか、異種独特な風格すら感じさせた。

その強靭なメンタルと落ち着きはプレミアでの経験値の賜物だろう。メディアもサポーターも高い要求を突き付けてくるイングランドでアジア人DFが主力の地位を勝ち取るのは非常に難しい。言葉やサッカーに対する姿勢などを含め、高度な理解力と適応力を身に付けて初めて、プレミア100試合というハードルを超えられる。吉田は母国で新たな領域に到達したと言っていいだろう。

ハル戦は惜しくもスコアレスドロー。終了間際に吉田自身が相手ボランチのアルフレッド・ヌディアイェにペナルティエリア内で倒されPKを獲得するという大仕事もしてみせた。だが、ドゥシャン・ダディッチが失敗し、勝ち点2を落とす格好になった。もったいない結末で、自身の節目を喜びきれない背番号3だったが、これもサッカーだ。この日を忘れず、さらなる高みを目指してほしいものだ。

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元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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