フィギュアスケーターにとって、ブレードの消耗は常についてまわる問題だ。男子シングルのトップ選手は複数回の4回転ジャンプを跳ぶことが珍しくなくなり、 女子シングルでもトリプルアクセルや4回転ジャンプへチャレンジする選手が現れた。

その分ブレードにかかる負荷も増え、以前に比べてブレードの交換時期が早まっている。 早い選手では2週間から1カ月で使用できなくなることもあるという。競技の進化に道具が追いついていないのだ。

従来のブレードは人の手によっていくつかのパーツを溶接してつなぎあわせるため、どうしても数ミリ単位の誤差やバラツキが発生する。そのため、ブレードを新調した選手たちはそのブレードごとのバラツキに自身の体をあわせ直さなければならない。フィギュアスケート界ではブレードが持つ癖に対応することが「選手の技術」として必要と考えられ、未だに「人が道具にあわせる」ことが求められている。これは他ジャンルのスポーツではなかなか考えられないことだ。また、溶接部分は4回転ジャンプなどの衝撃によって壊れやすくなりけがにつながる恐れもある。

「小塚崇彦のフィギュアスケート・ラボ」でおなじみの小塚崇彦さんも、現役時代はブレードの問題に悩まされてきた。

小塚さんは自分の足のサイズの計測がきっかけで金属加工メーカーの山一ハガネと出会い、従来のブレードが抱える問題点や課題を伝えそれらを解決するものが作れないかと相談した。 山一ハガネは“ひとつ”の金属の塊を3次元のあらゆる方向から立体的にドリルで削ってブレードを作るという方法で、小塚さんの想いに応えた。そして、6年の開発期間を経て、ついに「KOZUKA BLADES」が商品化された。

6年の歳月を経て誕生した「KOZUKA BLADES」

6年の歳月を経て誕生した「KOZUKA BLADES」

スカパー!×J SPORTS J SPORTS オンラインショップ