一方のフランスでは、クレールフォンテーヌのフランス・サッカー連盟(FFF)直属の養成所や各クラブのアカデミーから次々と若い有望な選手を輩出するなど、近代的で科学的なアプローチで強化を進めてきていた。ヴェンゲルがイングランドにやって来た2年後のワールドカップでは、エメ・ジャケ監督の下で勝負強さも身に着けたフランスが初優勝を飾ることになる。

フランス流の近代的なアプローチを導入したことによって、ヴェンゲル監督のアーセナルはたちまちプレミアリーグを代表する強豪となっていった。そして、ヴェンゲルや1998年からリヴァプールを率いることになるジェラール・ウリエなどは、まだまだプリミティブな状態だったイングランド・サッカーの近代化の先駆けとなったのである。

ヴェンゲルがアーセナルで成功すると、各クラブは次々と外国人指導者と契約を交わすようになり、現在ではプレミアリーグのほとんどのクラブが外国人監督の指揮下にある。イングランドは19世紀にサッカーというポーツを生み出した国、つまり「サッカーの母国」である。その母国としてのプライドもあり、かつてはイングランドのクラブが外国人指導者を受け入れることは難しかった(まして、後進国であるポルトガル人がイングランドの強豪を指揮することなど誰も予想できなかった!)。

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