24歳のケインとダイアー、22歳のアリ、21歳のダビンソン・サンチェスに象徴される通り、今のスパーズの主力は20代の前半が多い。その若さは好調時には勢いや爆発力につながるのだが、重圧のかかる大舞台だとマイナスに作用しがちだ。実際、彼らはビッグ6との直接対決で分が悪く、アウェーにも弱い。確実に勝ち星が欲しい時に勝ち切れないのが、頂点まで突き抜けられない1つの要因だろう。

UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)で1次ラウンドを勝ち上がり、ラウンド16でユベントスと対戦した時も、敵地でアウェーゴール2を奪っておきながら、ホームで1−2とまさかの苦杯。8強入りの道を断たれている。この時もプレッシャーへの弱さを露呈している。UCL4強まで勝ち上がっているリバプールなどは、大味な戦いをすることが多いのに、勝ち切る力はある。そこはユルゲン・クロップとポチェッティーノ監督の手腕の差かもしれない。選手たちをどこまでも貪欲にさせるアプローチを指揮官は追求していくべきだろう。

今季は新スタジアム建設のため、長年戦ってきたホワイトハートレインでゲームができないというマイナス面もあったが、その壁はある程度、乗り越えることができた。だからこそ、来季以降はもう一段階、タフな軍団へと脱皮を図ることが肝要だ。 今季の残り試合はプレミアの4試合のみ。対戦相手は全て格下だ。ここで4連勝し、1つでも順位を上げてフィニッシュすることが先への飛躍につながる。ケインのような優れたタレントを擁するチームだからこそ、無冠のままではもったいない。彼らには「足りないものを探す旅」を続けてほしいものだ。

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元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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