冬の移籍市場でピエール・エメリク・オーバメヤンとヘンリク・ムヒタリアンの元ボルシア・ドルトムントコンビを補強し、攻撃のテコ入れを図ったが、彼らが大躍進の起爆剤になるのは難しかった。結局のところ、34試合終了時点でのアーセナルは勝ち点54の6位。消化試合数は1試合少ないものの、5位・チェルシーに9ポイント差をつけられている。 総得点62、総失点45という数字も物足りない。総得点はチェルシーの59より多いものの、ビッグ6の中では5番目。にもかかわらず、失点の方は6チーム中ワーストだ。優勝を決めたマンチェスターCの25という数字に比べるとほぼ倍。それだけ守りが不安定だと、どうしてもUCL圏内浮上は難しい。

ベンゲル監督も長年の経験を駆使して攻守両面のバランスの安定化に努めたはずだったが、思惑通りの結果は出なかった。名将のラストシーズンにしては寂しい成績だと言わざるを得ないだろう。次期監督にはユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督、シャルケの若き知将、ドメニコ・テデスコ監督などの名前が挙がっているというが、誰が後を引き継いでもチームマネージメントは簡単ではない。長期政権の後の立て直しの難しさは、アレックス・ファーガソン監督が退いた後のマンチェスターUが実証している。クラブ側は指揮官選びを失敗してはならないし、ベンゲル監督もこれまで21年半の経験値を確実に還元していく努力が求められてくる。

ベンゲル体制のアーセナルに残されたゲームは、プレミア5試合とUEFAヨーロッパリーグ(EL)2試合。UELの方はまだタイトルの可能性がある。名将のラストを飾るべく、ガナーズには持てる力の全てを出し切ってほしいものだ。

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元川 悦子
もとかわえつこ1967年、長野県生まれ。夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターに。Jリーグ、日本代表から海外まで幅広くフォロー。ワールドカップは94年アメリカ大会から4回連続で現地取材した。中村俊輔らシドニー世代も10年以上見続けている。そして最近は「日本代表ウォッチャー」として練習から試合まで欠かさず取材している。著書に「U-22」(小学館)「初めてでも楽しめる欧州サッカーの旅」(NHK出版)ほか。

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